chapter 2 − recollection − 大学2年 7月1日
――― 7月1日
もう限界かもしれない
だんだん自分が分からなくなる
こんな苦しみの中から何が生まれるとゆうの?
「裕矢どうしたの?」
布団に包まり彼女に背を向けて眠る僕に問いかけてくる。
「私のこと嫌いになっちゃった?」
その声は泣き声で
「他に好きな人でもできたの?」
答える僕の答えは
「・・・・そんなわけ、ないだろ・・・」
偽りなんだ。
彼女を抱き締めるたびに罪悪感との葛藤に苦しめられる。
彼女は僕が与える以上のものを望んでくる。
心が痛い
胸が苦しい
心の中に広がるのは空虚な闇。
その闇に飲み込まれそうになる。
いくら僕が選んだ道だとしても、とてもこんな現実が正しいなんて思えない。
真実は別のところにあり僕はそれを拒み続けてる。
気の遠くなるような偽りを抱えて歩いてる。
どこに向かって・・・