chapter 2 − recollection − 4月20日
――― 4月20日
授業も始まって早一週間、なんだかとっても退屈だ。
大学ってゆうのは目的のない人に何かを進んで与えてくれる場じゃない。自らやりたいことを見つけなきゃならないみたいだ。義務教育から流れで進んだ高校、その中で今までどれだけ他人任せに生きてきたかを思い知らされた気分だ。
もし龍ちゃんがいなかったら僕はどんな生活を送っているんだろう・・・
彼はああゆう性格だけに誰とでもすぐに打ち解けられる
けど僕はそうじゃない・・・
「裕矢今日暇か?」
龍ちゃんの話はいつも突然に、そして唐突にやってくる。
「今日さ、この前話したサークルの説明会があるんだよ。お前も来るよな」
「龍ちゃんも行くの?」
「当然」
「じゃあ行くよ」
僕の家に来る時も同じだった。いつも何の連絡もなしにやって来るので、外出してる時は帰ってくるまで下のコンビニで時間を潰してるなんてことがよくあった。別に電話でも済むような用事でもわざわざ自転車に乗ってやってくる。40分くらいかかるのに。
「じゃ5時半に4号館の4511教室な」
4限目の心理学の授業を終え言われた通り4511教室に向かった。
5時ちょい過ぎ、教室の中を覗くと男が20人くらいに女が5人すでに集まっていた。2、3人で固まりそれぞれお喋りをしながら先輩たちが来るのを待っていた。そんな彼らを見て僕は自分が一人であることを痛感した。
「裕矢ー」
「龍ちゃん!」
手を振りやってきた彼は女の人を連れてやってきた。目鼻立ちの整った綺麗な顔立ちに肩までかからないショートヘアー、背は龍ちゃんより少し低く165センチくらい、スッと背筋を伸ばし微笑みかけてきた。
「こいつだよ、ほらこの前話した俺の知り合い」
紹介された彼女はちょこんとお辞儀をして見せ
「風間亜美です!」
細長い指をこめかみに向けまるで兵隊のような挨拶をしてきた。
「ども!」
第一印象、気の強そうな感じ
「こいつがこのサークル作ったんだぜ」
僕とは正反対にポジティブ
「す、すごいねぇ」
そうだ、女版龍ちゃん!
「へへ、まぁね。女が立ち上げたサークルなんてここじゃ私のサークルぐらいかな」
私のサークル・・・
胸を張ってサラッと言ってのける彼女
凄い・・・
「二人はどういった知り合いなの?」
「こいつか、こいつは昔のお、」
「あっあのね、高校時代の同級生だったの、友達よ、」
二人ともなんか変だったな。
彼女は僕と龍ちゃんと同じ歳なんだけど現役で合格したので一つ先輩となっているのだ。
教壇に立ち一人「自分の」サークルについて熱弁を振るう彼女の姿は、革命を唱え民衆に訴え掛けるジャンヌダルクを連想させた。
「どうだすげーだろあいつ、男顔負けだろ」
「うん凄いよ、尊敬しちゃうな、」
彼女は凄い
でも龍ちゃんも凄い
なんかもう学校にとけ込んで見える
うらやましいな