chapter 2 − recollection − 大学2年 6月16日
――― 6月16日
杉本の事件以来、一ヶ月以上過ぎた。
龍ちゃんの助けもあってどうにか登校してる状態だ。
サークルは活動を自粛停止したままだ。
亜美にもそんな気力はない。
サークルのメンバーも学食に集まる数が減ってきた。杉本派とも取れるメンバーが、僕を見るとその場を離れるといった行動を取るようになってからそれが顕著になった。
「気にすんな」
いつも行動を共にしてくれる龍ちゃん、その優しい言葉に心が揺れる。
苦しい
苦しいよ
ずっと間違っていた?
勘違いしてたのか?
振り返れば僕は、亜美に対してある憧れを抱いてた。
彼女のようになりたい
彼女のように生きてみたい
龍ちゃんを前に、彼と対等な立場で存在しいつも親密な関係の彼女を羨ましく思ってたんだ。
彼女のようになって彼のそばにいたい
彼女が好きなことは確かなんだ。今もその思いは変わらない。でもそれは、彼女の生き方、考え方、そしてその存在と立場が好きなんだ。憧れだったんだ。
今僕は「好き」と「愛」の違いを知った。友情と愛情の取り違えは、取り返しのつかない現状を僕に与えてる。僕の「愛」は正常に機能しなくなってしまった。
よりにもよって・・・
愛情の転化、
裏切り、
どうすることもできない・・・
こんな想いがもし罪とされるのなら、僕はその罪を償うために愛情を亜美に振り返られるよう精一杯の努力をしたい。残された選択の余地はこれしかないのだから・・・




