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chapter 2 − recollection − 4月10日

 ――― 4月10日


 今の生活にもだいぶ慣れてきた。

 キャンパスをいろどっていた桜もすっかり散ってしまった。

 今が春なんだなってしみじみ思った。

 今までは春なんてものは、いや季節自体意識したことはなかった。今僕を取り囲むこの暮らし全てが自分のものであるとゆう実感が春とともに訪れた。そんな気にさせてくれる。

 そうそう、龍ちゃんがうちに遊びに来た。学校帰りに「再会を祝って」とか言って酒を買い込んでやって来た。

「裕矢!花見だ花見!」

 花なんてどこにもないのにね。桜も散っちゃったよ。龍ちゃんにはそんなのお構いなし、いつも自分のペースだ。

「うわーひっろー、二部屋もあんのか、廊下までありやがる」

 部屋に入るなり驚きまくってた。僕の借りてるこの学生マンションは少し値も張るけど驚くぐらい設備が整ってる。結構広い玄関に入ると隣室からの生活音を遮音するためか廊下がありその先の扉を開けると四畳半の和室、その隣に襖を隔てて六畳の洋室がある。そしてその部屋の戸を開けると台所、その隣にユニットバスがある。六畳と四畳半の差を利用した凹みの部分がベランダになってる。

 料理を作るのが上手な龍ちゃんは冷蔵庫にあったあり余りの材料でつまみを作ってくれた。

「龍ちゃんなんでこんなに料理上手なの?」

「うち片親じゃん、だからかな」

 そうだ、彼は幼い頃に母親を亡くしていたんだった。

「うちのおふくろ身体弱かったからさ、親父が「お前は強くなれ」ってむきになって鍛え上げたもんだからこんなにごっつくなっちまってよ、女寄りつきゃしねぇよ」

「そんなことないって、龍ちゃんなら大丈夫だよ、いいお嫁さんになれるよ」

「ああ〜ん、じゃあお前もらってくれよな」

「ハハハ、遠慮しとくよ」

 彼は自分で言う通り本当にがっちりとした体格で、体育会系を絵に描いたような人なんだ。実際に中高とサッカー部で鍛え上げていた。

「サッカーはダメな。背は伸びねーし短足になるしでいいことねぇわ」

「サッカーなんてかっこいいじゃない。モテると思うけどな」

「それよりお前背伸びたよな、イケメンだしモテるだろ」

「えっ、そ、そんなことないよ、付き合ったことすらないし、」

 確かにモテてた?んだろう・・・か・・・

 付き合ったことはない、が言い寄られたり迫られたことはあった・・・

「うそつけー!何人泣かせてきたんだこのやろー!」

 首に腕を回して締め付けてくる彼はもうただの酔っ払いだ。

「あっ、そうそうお前サークル入らねぇか?」

「サークル?」

「知り合いが仕切ってるのがあるんだよ。どうだ?お前も一緒にさ」

 龍ちゃんと一緒ならいいか

 そのサークルはオールラウンドスポーツ系で季節に見合ったスポーツをして楽しもうとゆうものらしい。

 運動はあまり得意じゃないけど部活じゃないならいいか

 サークルなんていかにも大学生らしい響きだ

 なんかとっても楽しみだ




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