chapter 2 − recollection − 12月12日
――― 12月12日
「裕矢クリスマスの計画立てたか?」
龍ちゃんからの突然の電話。
いつもならそういったことは直接うちに来て話すのに今日に限っては電話だった。まぁ学校でいつも会ってるってのもあるんだけど、僕とは電話でのやりとり自体あんまりしたことがないのにな。急いでたんだろうか。
「どうだパーティーやらねぇか?」
そうなんだ、もうすぐクリスマスなんだ。どうすればいいか何も思いついてなかったんだ。
彼女がいるクリスマスなんて初めてだったから悩んでいたのは確かだったんだ。亜美さんのことだから母とのことを気使って「クリスマスなんてやらない」つもりなんだと思う。もしかしたら龍ちゃんも僕に気を使って連絡してくれたのかもしれない。龍ちゃんの計画に乗ればさりげなくクリスマスを楽しめるってことか。
龍ちゃん感謝!
彼の計画によると、僕と亜美さん、そして龍ちゃんと由紀さんの4人でパーティーをするとゆう思った通りの内容だった。会場は龍ちゃんちに決定してるらしい。「こんな機会がないと狭いからって拒んできた俺んちに集合することはないだろうから」ってことらしい。どうしようか迷ってた僕には願ってもない美味しい誘いだった。
早速亜美さんに電話でそのことを伝えると
「面白そうね、ずっと4人で集まってなかったからいいかもね」
好感触、と思いきや
「でもいいのかしら・・・リュウ由紀さんと二人きりじゃなくて」
常に一歩先行く亜美さんの答えに
なんて間抜けなんだ〜
彼女に言われて初めてそのことが自分たちにも当てはまることに気が付いた。
そうだ!
途中で抜け出せば・・
「まぁ途中で抜け出して二人きりにさせてあげればいいか」
見事先に言われてしまった。さらに
「そうすれば私たちも二人きりになれるしね」
笑って付け加えられてしまった。
本当に彼女はいつも僕より一枚上手だ。