chapter 2 − recollection − 12月10日
――― 12月10日
吹き付ける寒さは日ごとに増すばかり。
木枯らしが絡み付いてくる。
心の整理もだいぶついた。
コンビニのバイトと並行して道路工事の旗振りのバイトも始めた。とりあえずの生活はできる状況に漕ぎつけた。体力的にはかなり辛いけどこれも生活のためだ。来年の授業料も貯めなければならないし、弱音なんか吐いてられない。
ハードスケジュール&ワークの副産物で体力はついたと思う。
でも亜美さんに会える機会が激減してしまった。彼女は「我慢する」って言ってくれてる。
今は校内で会うことがほとんどだ。たまにコンビニまで来てくれるけど泊まって行くことはない。僕も僕で「泊まってく?」って言葉を出しづらい。彼女は彼女で母が亡くなって間もないことを気にしてるんだろう。ラブラブな雰囲気を作りづらくなってしまった。
あぁ〜どうすればいいんだろう・・・
正直分からない。
不謹慎だと言われようとも彼女と触れ合いたいよ。
話は変わって杉本はどうしてるんだろう。
相変わらず学校に来ない。
留年しちゃうんじゃないだろうか
電話しても出てくれない。亜美さんから聞いたメルアドにメールしても返事はない。手紙も出した。もちろん返事は来ない。いったい今どうしてるんだろう・・・