chapter 2 − recollection − 9月16日
――― 9月16日
「今度さー、一緒に遊び行こうぜ」
うちに遊びに来ていた龍ちゃんが言った。
「お前亜美誘え、なっ」
かなり飲んでた。酔いも手伝って勝手に話を進める龍ちゃん。
「お前が亜美、俺は由紀連れてくからよ」
僕はただただ頷くだけ。
「遊園地がいいな。由紀行きたがってたし」
龍ちゃんは酔うと一人で喋りまくる。
「お前らに由紀のことちゃんと紹介しときたいしな」
僕は聞き役。
「いいよな?」
こんなほのぼのとした感じがたまらなく好きだ。
龍ちゃんには何も気を使わなくてすむ。
「そう言えばよー由紀がお前のこと「かっこいいかっこいい」って何度も言ってたぞー」
なんだろね、女って・・・
「お前由紀盗んなよ〜」
盗るわけないじゃない、大切な友達の恋人を。
龍ちゃんとまで杉本みたいになりたくないよ。
風間さんと僕、龍ちゃんと由紀さんで行くんだったら嫌でも分かるでしょ。