chapter 2 − recollection − 9月3日
――― 3日
その朝なぜかソファーで目が覚めた。
龍ちゃんと風間さんが心配そうに覗き込んできた。
風間さんにいたっては泣きそうだった。
ガンガンする頭、何がどうなったのか、奴に飲まされ続けて立ち上がって叫んだ後が思い出せない。そこからの記憶が全くないんだ。
「杉本さんが一晩中お前の面倒見てくれたんだぜ」
龍ちゃんの台詞、信じられない。
そんなはずない
あるわけないじゃないか
やつがそんなことするはずがない
もしそうなら何を企んでるんだ・・・
「おう裕矢、大丈夫か?」
階段から降りてきた奴が言った。
いつもとどこか違う笑みを浮かべながら。
僕は目を逸らした。
そして合宿は終わった。