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chapter 2 − recollection − 9月1日

 ――― 9月1日


 サークルの夏合宿。

 そこでとんでもない目にあった。

 9月になると学生たちは学校が始まり街にはいつもの日常が戻る。でも大学生は違う。これからが夏休み本番、そう言っても過言ではない。なにせあと一ヶ月も休みが残ってるんだから。


 河口湖から車で5分、そこに僕らの泊まるペンションがあった。辺り一面を緑に囲まれすぐ横には人工芝のテニスコートが4面、すでに他の宿泊客がテニスを楽しんでいた。

 ありふれた日常から解放してくれそうな、そんな気にさせてくる「はずだった」そうなるはずだったんだよ。


 杉本さえ来なければ

 奴さえ来なければ・・・


 とりあえず荷物を部屋に運ぶと早速午後からテニスをすることになった。

「よう裕矢、これ持ってくれよ」

 奴にラケットとタオルを渡されムッとする僕に

「どうしたのかな〜裕矢くんは・・・」

ニヤニヤしながら頭をなでてきやがった。

「なにか言いたそうですねぇ〜」

 僕よりずっと小さいくせに・・・

 それだけじゃない!

「おりゃー!」 

 わざと柵の外に打ったボールを取りに行かされた。

「タオル!」

 言いなりにさせられた。

「ジュース飲みてぇなぁー」

 金も渡されず買いに行かされた。

「これ持てってくれよ」

 帰りも荷物持ちをさせられた。

 まわりからはこう言われた。


「仲いいねー」


 どうしたらそう見えるってんだ!!

 誰も分かっちゃいないんだ!!

 

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