プロローグ
初めて小説を書くので至らない点があると思いますが、暖かい目で読んでいただけると嬉しいです!
今日も世界は欲で溢れている。
お金に欲を出す人、食べ物に欲を出す人、恋に欲を出す人、ソシャゲに欲を出す人etc…
私、如月 有栖は16年間生きてきて1度も欲にまみれた事は無い。そう1度もだ。
今日は家に帰ったら何をしようか。そんなことを考えていると、前の方から声が聞こえてきた。
「有栖〜はやくおいでよー」
友人が横断歩道の向こう側で呼んでいる。
「うん!」
私は手を振って応じる。
横断歩道を渡っていつものように友人と一緒に帰るのだ。
信号が青になったので、私は横断歩道を渡ろうと歩き始めた。
「有栖危ない!!」
突然友人が叫んだ。
何事かと思い横を見るとすぐそばまでトラックが迫っていた。
そして如月有栖は命を落とした。
───────────
目を開けると、知らない場所に座っていた。周りを見渡しても目の前に椅子が一つあるだけだ。
確かトラックにはねられて…それからの記憶がない。
その時の事を思い出していると突然目の前に少女が現れた。見た目は私より歳下に見えて、何故か天使の羽が生えている。
「目が覚めましたか。ようこそ天界へ」
天界…そうか私は死んでしまったのか。短い人生だったなぁ
「あなたは誰ですか?私はこれからどうすれば…」
「私は迷える魂を救う女神です。あなたはずっと無欲であり善意で満ち溢れていました」
「ど、どうも」
ずっと見られていたみたいだ。そこまで褒められると少し照れてしまう。
「あなたは良い行いをしてきたので新しく別の世界に転生出来ます。どんな力がお望みですか?いきなり世界最強でもいいですよ?お金持ちもいいですね!
…………私がお金欲しいくらいです…」
最後の方は小声だったのでなんて言っていたのかは聞き取れなかった。欲しいものかぁ…日本に居た時も何も欲しがらないで困った事は無かったな。
「ないです」
これが私の答えだ。
「え?」
女神様が目を点にしている。他の人は何を願ってきたのだろうか。何も欲しがらない人ってまさか私だけ?
「ほんとに何も無いんですか?だって異世界に転生するんですよ?今までと別の人生を歩むことが出来るんですよ?この先何があるか分からないのにとにかく貰えるものは貰った方がいいに決まってますよ!」
女神様はほっぺたを膨らまして抗議している。なんで少し不満そうなのだろう…
「本当に特に欲しい力はないんですよ」
「むぅ…分かりました!」
パン!っと女神様が手を叩いた。どうやら納得してくれたみたい。
「女神の加護を授けましょう!それと、向こうの世界ではあなたには無欲はやめてもらいます。これは今決めました。絶対です!」
全然納得してくれてなかった。
すると足元にに魔方陣のような円が現れ、ひかりだした。
「あなたに神のご加護を」
女神様がご加護を与えてくださっている。体の中に力が溢れるような感覚がする。こんなに簡単に頂いて良いものなのだろうか。
「これからのあなたの人生が良いものでありますように…それでは新しい人生を楽しんでください!」
女神様が何か言っている間に、私の視界は真っ白になって意識が消えた。
気付いたら私はベンチに座っていた。見渡す限り家が建ち並んでいる。私は街に転生させられたらしい。
街は木組みの家が多くて西洋風だ。
新しい人生を与えてくださったのだ。この命を大切にしないと。
これから何をしよう…異世界に来るのは当然初めてなので知らない事が沢山ある。
「あなた見ない顔ねぇ…何やら困った様な顔をしていたけど…どうかしたのかい?」
色々考えている間にお婆さんが話しかけてきた。
「あ、はい。私は遠い所から来たものでここの事が何も分かりません。よければこの町のことを教えていただけませんか?」
「ここはラルゴだよ。沢山の人が平和に暮らしているよ。ここの道をまっすぐ進んだ所にギルドがあるからそこに行けば詳しく教えてもらえるよ。ここは冒険者の街とも言われているからねぇ」
ギルドかぁ…ゲームの中でよく見るあれかな。
「ありがとうございます!行ってみます。」
親切な人でよかったぁ…
そうえばこの世界の私の顔ってどんなのだろ。気になって近くの家の窓に反射している自分を見た。
金髪碧眼の漫画とかで良く見るような顔立ちだった。
「あの女神様のおかげかな」
自分が自分でないみたいだけど生活してたら慣れるだろう。
再び歩きだすと目の前に大きな建物が見えてきた。
「ここがギルドかぁ」
これから私の新しい人生が始まるんだ!
読んでいただきありがとうございます!
続きは1週間後くらいに出そうと思っています。