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かつて愛という物語が語られた
裏切りで
憎んだ人より 優しさの
方が哀しい タイムカプセル
背中抱く
あたたかさだけ覚えてる
そのあとのこと? ちょっと言えない
幸せの
うしろ姿をガン見して
好きな人には好かれないさが
なぜかしら
涙みせると口説かれる
その気になれない寂しい夜もね
夜に見た
アイツの言葉にすがりつき
指のすきまをすり抜ける夢
忘れない
売れない野原で野球した
勇気をくれたみやびな応援
あの頃は
まだ幼くて大好きの
意味も知らずに夜まで遊んだ
汗流し
虫の声きく夕涼み
バルコニーから 花火劇場
さよならと
言われて泣かずにふたりきり
この街歩く背中を夢見た
大三角
最後の夏の終わりには
出会いの虹色 涙が消すだろう




