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神さまはやっぱどこにもいないんだ
(短歌十一首)
夜がいま小さな嘘を暴くとき肌につたわるあたたかい水
幸せを勝手に崩した指先がふたりの距離を手繰りたがってる
まっしろな日には逢えない君の名を呼んでふてて二度寝する僕
震えてる心の隙間にあたたかい言葉をかけてくれたねずっと
もし君が冷たい人ならこの僕は膝をかかえて泣いてる子供だ
悲しみがない時なんてなかったしいまから孤独な日々もつづくよ
その夢の嬉しい出逢いが大切で今までどおりに生きられないかも
神さまはやっぱどこにもいないんだ不幸せとは言わないけれど
星をみる夏の終わりに虫も鳴く今夜はやさしい夢をみさせて
月が満ちふたりが一緒に手をつなぐ雫もこぼれる夜が欲しいね
星たちを吊り下げている糸はあるまっすぐな目でさがす晩夏に




