415/501
新月の夜は月には吠えられない
一日の終わりに日記に書いた朔
恋なんてウジャウジャあるし鳳仙花
バス亭の名前を失念した異国
恋人を忘れさせるな街の灯よ
メガネ女子よい香りのする髪ふわり
鳳仙花悲しい過去に穴あける
真夜中の田舎を想う六本木
魔法使い昔へ帰してとすがりつく
星のかずかぞえられない星月夜
星のかずかぞえてもいい夜曇天
吊り橋を渡りつづけてゆく人生
好きなのは雨の匂いの嗅げるひと
しなつくる練習したのはハイティーン
もう夢のカケラ投げ棄てハイお終い
ヴァンパイア少女も跳びはね走る朔
生きるにはだれを愛せばいいのだろう
愛したらいいもわるいもないお終い




