30/501
『螺旋の風景 4』
月が 照り
よろぼう戦乙女の赤髪
疚しい過去などみっつしかない
なぜでしょう
蛇蝎の如く嫌われて
鏡の羅刹女 埴輪の顔つき
桜やむ
刹那あなたにキスします
そのとき慌てて眼を開けないでね
何処へ行く
この青い空続く水平
沖にかもめが片目瞑る日
思春期に
片目を瞑って歌い鹿
バカァバカァって街空駆けるぞ
十七で
片目を瞑って泣いちゃって
投降選んだ 逃げとか言うなよ
さあおいで
癒し放題癒してあげる
24時間営業中です
死なれても
僕の心は痛くない
涙の跡が傷になるかよ
待ちなさい
この世のあらゆる悲しみ引き連れ
たった今から死んでくるから
泣いてない
青鬼のリタに憧れて
愛して馬鹿みて なにが悪いか
大好きに
なるなよ あたしは長くない
悲しむだけなら とっくに忘れて
螺旋剥き
途切れることない青林檎
鏡の中までまふたつに切る
大好きな
螺旋の階を選ぶとき
鏡よ鏡を選ぶ人好き




