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黒のビロード
おまえという
ホントもウソも併せ持つ
妖精みたいな女の子がいた
薄くなる
ふたりで書いた落書きが
グランフェスタのうたごえ震えて
砂糖菓子
で作ったピストルで
頭蓋をぶち抜き夢を食べたい
前髪を垂らしかきあげ
秋の波
あたしを好きになってみません?
タワマンが
タワーマンションの略という
心がざわつき、苦いツバ呑む
あの夜に告った勇気がなかったら
あのままいけない
女になってた
ゆっくりと
キスしてまっすぐ見つめ合い
「きれい」と言った、「あなたの花が」と
幸せを祈るばかりでいいのです
今あなただけでも
幸せでいて
微笑んで濡れた瞳が語りだす
黒のビロードよりも
淫靡に