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あの頃が、戻って来さえしたなら。 2
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麦わら帽
恋の熱風吹き上げた
生駒山上遊園地まで
俳人め
詩人を起こすミッドナイト
ショータイムにはまだ早すぎだぜ
お天気も
いいしふたりで手をつなぎ
琵琶湖を観たあと彦根城まで
いまいって
小さな囁き聞こえない
聞こえるように照れないで さあ
手で追おう
からまる蛍の静かな死
そして弓張月は沈むよ
浴衣脱ぎ
祭りの夜は年一度
羽目を外して 月 浴びる肌
星数え
風に吹かれてほおずきが
祭りの終わりを告げて宇宙へ
手で追おう
青空広がり しぼまない
安めの風船 見えなくなるまで
壁がある
こぶし打ちつけ壊したい
この恋心 霧になるまで
傷つかない
不死身のこころを持っていた
あなたに出逢ったあの朝までは
要戦車
あのこのこころの壁こわす
危険を承知でガラクタでもいい
ありえない
ほどの天使が寒空に
身を寄せあって震えている朝




