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耳鳴り
海の味
世界に溺れた果てに血の
取り戻せない、錆びた赤色
(風ばかり
(聞こえた耳鳴り
枯れた海
人間世界の果ての塩
錆びた赤色からめの絶望
隠せない
秘密が香る暗い部屋
ドア開けはなせば花でも闇堕ち
笑いあう
未来のこととかふたりの死
息を止めても止まらない死よ
隠せない
秘密が香る暗い部屋
闇に抱かれて、キスして咲く花
クククク、と
過去のあなたが好きなのに
過去を忘れて笑った白い歯
青空に
とけ込むカナリア見たことない
鳥のさえずり聞こえないもの
(風ばかり
(聞こえた耳鳴り
(風さえも
(忘れた耳鳴り




