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風ばかり


月の影

ジーッと見ていた目の前の

ただ偽りの柔らかい桃


その月が

金に輝く踊り場で

好きと伝えておきますあそびめ



かわいいと

おもった私の負けなのと

両目をつむって心を隠すわ


眠れない

いっぱいあふれるへんな気持ち

だけが残って抱き寄せたくなる


銀の花

最果てかぜの吹く白夜

いずれ孤独をこらえて寝る恋


口説く目で

吸い込む可憐な花の恋

ふたりそれぞれキスした軽めの


姉が逝き

冬の花火をしんみりと

微笑みながらするひとしきり



飛び降りたい

屋上からの偽りに

昨夜のカラダに吹いた涼風すずかぜ


太陽が

似合う酒の名わすれたな

ボトルにキスして探しておくれよ



苦しくて

こんな恋ならあの夜に

好きという嘘つくんじゃなかった



青春と

いう名の岬のみえる丘

一心不乱に海ゆく船みた


夢もみた

抱かれて痺れた春の宵

雪が、桜のようにキスした



目薬を

仔猫の隣でさしてから

上手にニャア〜って泣き真似をする


天国が

待っているのはだれのこと

わすれたふりして吹く風でした






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