233/501
風ばかり
月の影
ジーッと見ていた目の前の
ただ偽りの柔らかい桃
その月が
金に輝く踊り場で
好きと伝えておきますあそびめ
かわいいと
おもった私の負けなのと
両目をつむって心を隠すわ
眠れない
いっぱいあふれるへんな気持ち
だけが残って抱き寄せたくなる
銀の花
最果てかぜの吹く白夜
いずれ孤独をこらえて寝る恋
口説く目で
吸い込む可憐な花の恋
ふたりそれぞれキスした軽めの
姉が逝き
冬の花火をしんみりと
微笑みながらするひとしきり
飛び降りたい
屋上からの偽りに
昨夜のカラダに吹いた涼風
太陽が
似合う酒の名わすれたな
ボトルにキスして探しておくれよ
苦しくて
こんな恋ならあの夜に
好きという嘘つくんじゃなかった
青春と
いう名の岬のみえる丘
一心不乱に海ゆく船みた
夢もみた
抱かれて痺れた春の宵
雪が、桜のようにキスした
目薬を
仔猫の隣でさしてから
上手にニャア〜って泣き真似をする
天国が
待っているのはだれのこと
わすれたふりして吹く風でした




