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あの頃が、戻って来さえしたなら。 1
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巧いって
綺麗な嘘から一番遠くで
僕はうたをうたってきたのに
ひとなみの
望みのなかでも ただひとり
僕だけちがって 帰りたくなる
青鬼の
絶滅危惧した あの少女
偽悪を晒して 強がる眼をする
キツイ眼で
睨みつけたら ゴメンナサイ
でも 私のナニカを踏みつけたからだよ
星空に
放り出された人魚達
ホンキートンクで安酒かわそう
時は過ぎ
読めない白い無地パズル
最後のピースが見つからなくなる
偽悪見せ
噂の姿で死んだから
最後のページになにも書けない
あの時が
戻って来るほど笑えたら
なにがあってもかまわないのに




