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冬の海


この恋が

さなぎの恋だというのなら

蝶になる日はけっして来ないわ


黙り込む

ことで静かにみつめるの

波が聴こえる、虹かかる海


暗い冬

たったひとりの待合室で

希望を灯してただ待っていた


残酷な

君は小さく微笑んで

すべてを許してくれるというのか



覚えてる

本を捨て去り駆け足で

街へ出るため好きだと告げた目


微笑まれ

目が合うだけで憧れた

裏街マリアを忘れなければ


不自由を

もうどうでもいいからと

こだわらないって自由なことだろ


暖かい

この部屋を出てサヨナラを

ポツリと残して歩み去る人


優しさが

部屋にただよう暖色の

ふわりとんでる帽子が似合うね


たえられない

たったひとりの寂しさが

羊を数える理由という夜


世界という

言葉に溺れてみた夢の

千切れた吹雪がキラキラ舞ってる


疾風の

目を刺す鋭い痛み知り

なにも告げずに、追うは白波






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