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切ない花びら
さがしてもみつからないのがいいんです
口に出せない、恋とか知らない
花びらを散らした嵐がやってきて
「君のは切ない、そっとしとくね?」
枯れ落ちる、むかし華やぎ誇ってた
美しい眼で閉じたプライド
りんご切る、果物ナイフの切れ悪さ
もういいですよと、あきらめ切る月
来た道を、言い訳じゃないかと憤り、
ほんとの青を見逃すまごころ
遠くから、そっと言います、ありがとう
かわいくラムネを瓶飲みする君
けがされた、月の微笑み、間違えた、
鳥の鳴き声、もう一度、鳴く
月が日に、いだく憧れ、地を這うふたり、
けものはお互い、地上で生きます
夏を呼ぶ、春の陽気に距離を置き、
その青をみて、流れいく空
さがしてもみつからないのがいいんです
うつろうこころの、恋とか知らない