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ふたつのわかれ
1 死別『ぬかるみへ』
夢うつつ
ほのかな香りは線香か
記憶の欠片も煙となり消え
夢の中
引きずり込まれた右脚を
ズボッと抜いたら長靴残った
仰向けで
見上げた空は晴れ渡り
嫉妬や悪意は燃やしてしまおう
柔らかい
まっかな頬っぺた引っ張って
己れ自身の 孤独の罪 問う
沈んだ眼
人差し指で その水 拭う
ひとすじ白煙 立ち込める部屋
2 生別『生木裂く』
嘘みたい
あなたと絡んだ3年の
愛しい歳月 なくならない夜
好きだとか
嫌いだとかのふたりじゃない
ふたりでひとりと言ったじゃない
全部嘘
もう会えないとか全部嘘
何にもいらない 嘘だといってよ
こうなるし
死んで逝かれた方がまし
孤独つっても夢なら逢えるし
あああああ
私の声が漏れている?
我慢ができない なくならない愛