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荒野ゆくもの、ひとりきり、僕。
その荒野、
前行く人はいなかった
後から来るものもいない、この道
汚したい
聖火と呼ばれるキャンドルで
飾るテーブル、真白いクロスを
どの空を
あなたの空だと言えば良い?
悲しみ色の花の咲く夜。
みつめたよ。
手と手を正しく繋いだよ。
すみれ咲く夜、目と目をやさしく。
どこへ行く?
涙の雫のあとが消えない
ダブルクロスの部屋に入るか。
その荒野、
蛇になるさという誓い、
嫌われてもいい、あなたの為なら。
その夜さ、
私のほお裂く女の爪が、
赤い血を吸い、妖しく光る眼。
あんちくしょう、
あたしのあいつを愛したか、
あの牙、妖しいアフォリズム噛む
とうとうと
流れゆく川その底に
澱ませないため 弾ける砲弾
重ねたい
想いがあなたと私のものなら
レモン味した ルージュを引きあう
初恋は
半世紀まえの夢の中
そのとき私は 悔やむのだろうか?
たよれない
神様だって、わがままだ。
僕は彼女のためなら戦う。
だから、道。
この白い道歩くのが、
荒野ゆくこの、ひとりきり、僕。