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『めばえ』
芽生えたの
ただ純粋な恋心
真っ直ぐみる目で、あなたが好きです
その日から
心縛られ、動けない
ここまで惚れさせ、どうするつもりよ?
遅すぎる
もっと、早くよ、もっともっと
急いで、来てよ、救って、お願い。
ねぇ、あなた。
もう一度ちゃんと、みつけてよ、
イヤよ、イヤだよ、ここまで堕とすな。
たいせつな
あなただからこそ、血を吐くわ。
悪意の行方があなたに向かうわ。
あなた、好き。
でも、嫌いだわ。
救われたわ。
でも、放って置いて欲しかったわ。
「好きでした」
ねぇ、どうして、出会ったときに
おっしゃってくださらなかったの?ねぇ、どうして?
あのころの、
綺麗なころの私なら、
あなたの「好き」を素直に受け入れられたのに。
こんな、バカみたいな恨みを、
あなたに抱くこともなかったのに。
堕ちちゃった。
いくら、あなたがそれでもいいと
言ってくれても、ダメだよ。
堕っこちちゃったの、あたしだもの。
あたしは罪を抱いて、生きて行くしかないんだ。
でもねぇ、
想像することは、あるんだ。
もしも
『あの日』あなたがみつけてくれていれば、
私はどんな女になっていたかしら?