表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/22

君が好き? Round2

目指せラブ甘っ R13くらいになったかな? 

性的表現?あります苦手な人は避けてクダサイ

 ただ今、私は隠れております。

 

 いつものようにウィルシスから逃げ回ってはおりませんよ? ただ、ちょっと、後ろのギャラリーに後押しされて、どうしたモノかと冷や汗をだらだらかきつつ廊下の角からウィルシスの執務室の扉をじーっと覗いているのです。

 怪しさ大爆発ですね。


 そして、一つ向こうの廊下の角からは、下からピンクの古竜リアーナ、8歳の王女アマリーア、緑竜隊隊長マリア、そして一番身長の高いムチムチバディの冒険者レイナがトーテムポールのように顔を出しております。

 

「いけ~っ」


「ここまで来て何をためらいますのっ」


 他人事だと思って言いたい放題です。

 

 さて、これは何事かと言えば、つい先ほどまで彼女達としていた女子会にて、野獣のごとき彼女達のアドバイスにより、心が定まらぬというのならば自分から同意のキスをしてみてはどうかという案が採用され、あれよあれよという間にリアーナの導きで人型にされたうえ、アマリーアの侍女達の手によって着飾られてここにいるというわけなのです。

 

 前門の虎後門の狼というやつでしょうか? 逃げ場無しです!


 とにかく、最後まで襲われないためには扉を開けたままにした方がいいということでしたし(リアーナ達がデバガメしたいがための方便)、ミッションさえコンプリートしてしまえば後は逃げてもいいはずですっ。

 後ろの女狩人達の目が怖いので後ろは見ないでおきます。


 いざっ


 右手と右足を一緒に動かしながらひょこひょこと進み、深呼吸して執務室の扉をノックします。


「開いてるよ」


 中から声がすると、どきーっと私の心臓は跳ね上がり、一気に加速を始めました。


「し、失礼します」


 ガチガチになりながら扉を開いたままにして、中に入ると、そこには珍しく真面目な顔をしたウィルシスが執務机に座って資料をより分け、サインをしておりました。


「リア? 珍しいね、人型になってどうかした?」


 ドックンドックンバックンバックン


 今にも倒れそうなほど緊張し、顔を上げたウィルシスを見てばふっと顔を真っ赤にします。

 思い出してしまったのです! 先日のあれ! 


  耳元で囁かれた


「俺の(つがい)になって」


 イ~ヤ~! なぜ思い出すのですか私!

 いつもならここで転がりまわって悶えるところですが、人の姿でそれをしたらさすがに残念な子ですっ。できないっ、できない分羞恥が募るってもんですよっ。


 ウィルシスは資料を置いて、怪訝な表情を壁ながら傍によると、その大きな手で私の額に触れてきました。


「ふむ、熱はないけど。どうしたの?」


 顔が近い所にあります。こ、こここ、これはチャンスでしょうかっ?


 精神的にいっぱいいっぱいで、ウルっとした目でウィルシスを見上げると、彼は自然に私の腰に腕を回し、そっと引き寄せます。

 自然ですね、自然にタラシですね。動きがタラシ。

 そう言えばタラシってなんでしょう…。みたらしの仲間…て、慌ててる場合ではありませんよっ。これではいつも通りではないですかっ。


 今日は私が襲う、今日は私が襲う!


 すでに目的の意味が間違ってきているのに気が付かず、私はフーフー言いながらきりっと顔を上げます。

 

「リア? やっぱり調子が悪いんじゃ? 息が荒いけど」


 赤ずきんちゃん、それは興奮してるからよ。


「り、リア?」


 がしぃっとウィルシスの服を掴みます。それは遠くから見たら絡んでいるかのように見えるという動きです。

 さすがにウィルシスもおかしいのに気が付いたのか、襲うのをやめて私の腰から腕をほどきました。

 

 逃げられては女がすたるではないですか!


「リア、目がギラギラしてるけど、何か悪いもの食べた?」


 赤ずきんちゃん、それはあなたを襲うためよっ。


 首に腕を回し、背が低いので爪先立ちになってぎゅぎゅぎゅ~っと抱きしめます。

 

 小さく扉の向こうから「きゃ~っ」と悲鳴が上がったのですが、あの4人の声ではなかったので、ギャラリーが増えていたようです。もちろんいっぱいいっぱいな私は気がついてませんがっ。


 ウィルシスは私をぶら下げたまま、廊下の角に隠れている主要な4人組と、侍女達を睨んだ。


「お前達、一体リアに何を」


 赤ずきんちゃんによそ見はさせないわ!


 心臓の鼓動はすでにマックス、頭の中も飽和状態で「目指せ悪女」とおかしな目標が鳴り響き、ウィルシスの顔をグイッと私の方に向けました。

 もう視界に映っているのは唇のみ!


 いただきます!


 かぷりっ


「むっ」


 まぐまぐと咬みつきます。これは動物の本能ゆえの行動だったかもしれません…少なくともキスと呼ぶにはちょっとな口づけですが、今度こそ「きゃあ~っ」と廊下で声が響きました。


 ウィルシスはしばらく固まった後、わずかに腰をかがめ、するりと私の腰と首の後ろを支えて、まぐまぐ咬みつく私の唇を割り、深く口づけてきました。


「はっむっ」


 廊下の悲鳴は最高潮。私はおんや?と少しずつ野生から戻ってき始めて…


「ふがっ、ま、む~!」


 叫びは塞がれてしまいました!

 キス深い!

 

 ぺっしぺっしとウィルシスのあちこちを叩きますが、効き目無しですっ。

 逃げねば!


『そこで応えるのよ~っ、そうしたら答えはおのずと見えてくるわ~!』


 こんな時にリアーナのアドバイスが!

 

 そのために来たんでした!。とはいえ、これは恋愛初心者にはハードルが高いと思うのですっ。

 くっと両手で拳を作り、プルプル震えながらも必死にキスを受けます。

 そう、私は彼のことを…


 そろそろと手を彼の背に回そうと動かし、うっすら目を開けてみたものは…ギラリと光る捕食者の目!


「無理ぃ~!」


 ばふっと人型から古竜に変わり、びやぁぁぁ~っと鳴きながらウィルシスの腕から抜け出し駆け出します。


 そして、入り口にはまたもや資料を手に立ち尽くす黒竜隊副隊長ケインの姿があり、私はばふっと真っ赤になってさらに「ピッキャアアアアア~ッ」と悲鳴を上げて立ち去った。



「え…えと、お邪魔しましたぁ!」


 タイミングの悪い男ケイン。

 彼はこの翌日、何本もの短剣で壁に縫い止められているのを黒竜隊の隊長ヴァンに発見されることになる。


________________


 リーリア対ウィルシス

 

 ウィルシスはあの後ぽつりとつぶやいていた


「俺は弄ばれてるのか?」


と。


 リーリアの勝利・・・?


頑張ったが敵は大きかった


リーリア「喰われるかと思いました!」

リアーナ「食べられれば良かったんじゃないかしら~」

レイナ 「あぁ、そうだな」

マリア 「あそこまで初心とは…」

アマリーア「マリア、あなたジェフにどこまで…」

全員「「「・・・・・」」」


実はこの中でマリアが一番肉食だったり…。マリアさんコワッッ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ