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孤独の再利用  作者: 七賀ごふん
芰形優來

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7/22

#7



大学で顔見知りの男の子に告白された日、陽葵にメッセージを送った。


付き合おうって言われちゃった。学部も違くてあまり喋ったことない人なんだけど、どうしよう。

返事はすぐに来た。


『良かったじゃん! 優來モテモテだね。一目惚れじゃない?』


そんなわけない。いつもの優しい嘘だと思いつつ、「私可愛くないから」と送り返した。しかし本当にどうしよう。その時は驚いて、考える時間がほしいと言ってしまった。

『優來がちょっとでも良いなって思ってるなら、OKの返事したら? その気が全然ないなら早く断った方が良いと思う。私はその男の人のこと知らないし、決めるのは優來だからね』

相談……したけれど、結果的には委ねられてしまった。それが有難いし、心苦しい。端末をベッドに放り投げて、自分も倒れた。

陽葵はどうなんだろう。彼氏いるの? と送ると、いないよ! と速効で返ってきた。

こんなに明るい子が彼氏いないなんて、ヘンな世の中だ。


優來は普段からテンションが低いことで有名だった。どこか冷めてるというか、ドライな為に取っ付き難いと思われることがある。数回話してようやく皆打ち解けてくれる。これは地味に辛いところだった。

そんな自分に近付いてきてくれるというのは、それだけで優來にとって好印象だ。だが、自分の人生に巻き込んでいいんだろうか。

「好きと言われたから」。たったそれだけの理由で。


愛は求めるものではなく、与えるものだと偉いひとも言っていた。でも愛を与えたい人間で溢れたら、いつか、誰かは受け手に回ってしまうだろうし……今がまさにその時かもしれない。優來が周りに愛を振り撒く前に、周りが優來に愛を振り撒こうとしている。優來が与える必要などないぐらい、周りは多幸感に満ちていた。


愛を受け取ったとしても、それを返せるかどうか分からない。自分はまだ、陽葵と話している方がずっと楽しい。

スマホを取り出し、告白してくれた少年に断りの連絡を入れた。再びスマホを放り、顔を手で覆う。

これでいい。まだ……まだ、現実ではひとりでもいい。陽葵さえいれば、結局のところ孤独は感じないのだ。




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