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孤独の再利用  作者: 七賀ごふん
芰形優來

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6/22

#6



『陽葵は何が欲しい? いつもみたいに記念日に送るよ!』


公式の特典専門サイトにアクセスする。特定を防ぐ為か、服やアクセサリーといった装飾品のラインナップは控えめだ。代わりに化粧品、家電にゲーム、カトラリーやステーショナリーは豊富。昔はもっぱらゲームを頼むことが多かったが、大学生にもなるとコスメや必要な雑貨を頼むことが増えた。

『そういえばこの香水欲しかったんだよね。商品番号はA-025』

『わかった、選んでおくねー。優來は何が欲しい?』


私は……。


悩んだものの、あまり欲しいものが思いつかなかった。適当に、インテリアの中からオシャレなディフューザーの商品番号を伝えた。

『ありがとう。記念日楽しみにしてるね』

『ありがとう。私も』

陽葵と出逢ってから十二回目の記念日。……誕生日とも言える。

優來は来年就職する。陽葵はどうするのか分からない。それは何となく訊いてはいけないことのように感じた。ルール云々の話ではなくて、友人として。


いずれは皆大人になって、それぞれの道を歩む。たまに就職の悩みや不安も打ち明けたくなるが、それは言わずにおいた。そもそも優來は、陽葵が大学生なのかどうかも知らなかった。高校を卒業して以降、そういった話は自然と伏せるようになった。

自分の進路や状況を語るのは自己開示のルールに触れるのか、分からない。親に訊くと、その可能性があるからやめなさいと言われた。だとすると優來は陽葵に行きたい大学の分野を相談していたが、あれも本当は駄目だったのか。でも政府から注意を受けたことはないし、やはりセーフだった……のか。


基準が曖昧過ぎる。悩みや相談を話せと言いながら、自分のことを話しては駄目、相手のことを訊いては駄目。大人になるにつれ、サポーターを活用しなくなる人が増えているように感じた。それに比例して、精神を病んで自殺する者も、徐々に、本当に徐々に増えているようだった。


国は本当に孤独という病を治せているのか。


顔も知らない誰かと繋がっている……たったそれだけのことで毎日を生きられるなんて、思い上がりに近いのではないか。

働いて稼げるようになると、高いお金を払って専門家のカウンセリングを受けたいと思う者も増え始める。

この法律は穴だらけだ。いずれ時代と共に廃れる。




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