表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独の再利用  作者: 七賀ごふん
芰形優來

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/22

#5



このサポーター制度のおかげで確実に、自死する者が減少した。

人を徹底管理する世界になったからだ。今は超監視社会。個人情報は政府機関によって厳重に保管されているが、裏を返せば日々の何気ない動向まで政府は筒抜けである。プライバシーについて度々問題にはなったが、犯罪率が低下した為国の方針は変わらなかった。


何もかも話せるサポーター支援だって、結局その内容は全て政府に届く。じゃあ悩みを赤裸々に晒すことなんてできないじゃないか……と思うが、そこは少し麻痺してしまっている。好きな人やコンプレックスを言うぐらいは何ら抵抗がない。


優來は高校生になった。賑やかで馬鹿ばかりやっていた中学と違い、新しいクラスは驚くほど寡黙な生徒ばかりだった。右手にスマホ、左手にサポーターの連絡ツール。傍目からすると恐怖を覚えるマルチタスクぶりだ。

画面の向こうで繋がっている者を大事にするのは良いが、目の前にいる者をおざなりにするのは果たしてどうなのか……。

前の席から配られたプリントを後ろに回そうとした時、後ろの生徒が中々端末から顔を上げないので仕方なく声を掛けた。

些細なことなのに、何だかとても疲れた。



『優來、新しいクラスどう?』

『微妙。すごく静か。私もテンション低い方だけど、あれはレベルが違うよ』



高速でキーボード画面を打ちながら、自分の部屋のベッドに横になり、思案する。


陽葵に会いたい。現実がつまらなくなればなるほど、サポーターに依存してしまう。いつしか自分で考えるより選択を陽葵に委ねることが増えた。

やりたいバイト、付き合う人、行きたい大学……もちろんアドバイザーでもありメンターでもあるので相談自体はいくらしても良いと思うのだが、複雑な気持ちだった。


『優來、もうすぐ記念日だね』


大学四年生の夏、陽葵から一件のメッセージが入った。そうだ、ちょうど一ヶ月後が優來と陽葵の大切な日。今年も、九月六日がやってくる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ