燕の傭兵団、結成
闘技場が燃えた。
正確には、
裏口だけピンポイントで。
……うん、完全にプロの仕事。
「これ、事故って言い張る気やな」
「言い張れるか!!」
私は即ツッコミ。
⸻
混乱の中、
支配人バルドーは無事確保。
というか、
リオが裏通路を把握してて助かった。
ほんま何者やねん、この子。
「じいちゃん、逃げるよ!!」
「わ、わかっとる!」
豪商、
孫の腕引っ張られてダッシュ。
……力関係逆やな。
⸻
夜明け前。
街外れの廃倉庫。
ここに集まったのは――
・エドウィン
・私
・ユリウス
・支配人バルドー
・リオ
そして。
「……久しぶりだな」
影から現れた男。
傷だらけの鎧。
片目に古い傷。
「誰?」
私が聞くと、
エドウィンが一瞬だけ、目を伏せた。
「元、王国騎士団」
「俺の部下だ」
はい来た!!!
元同僚イベント!!!!
⸻
さらに。
「借り、返しに来た」
「今度は、逃げねぇ」
「影の傭兵団に家族殺された」
……はいはいはい!!!
恨み持ち集合!!!
気づけば、
倉庫の中に七人。
全員、
王国か影の傭兵団に人生壊されてる。
重い!!
設定が重い!!!
⸻
支配人が、静かに口を開いた。
「……金なら出そう」
「武器も、情報も、街も」
「わし一人では、もう守れん」
孫を見る。
「この子の未来を、守りたい」
……ずるい。
そんなの、
断れるわけないやろ。
⸻
エドウィンが剣を抜く。
床に突き立てた。
「俺は、守るために剣を振るう」
「国じゃない」
「名誉でもない」
「家族と、仲間のためだ」
沈黙。
一人、また一人。
剣を抜いて、
槍を置いて、
拳を握って。
円になる。
……なんやこれ。
めっちゃエモいやん。
⸻
「名前、どうする?」
誰かが言った。
「影の傭兵団に対抗するなら、
闇っぽい名前ちゃう?」
却下。
即却下。
私は前に出た。
「燕」
「小さくても、群れで飛ぶ」
「春を運ぶ鳥や」
「……戻ってくる場所の象徴」
一瞬、静かになって。
エドウィンが、笑った。
「いい名だ」
⸻
こうして。
寄せ集め。
傷だらけ。
後ろ盾なし。
でも。
燕の傭兵団は、
ここに結成された。
そして――
影の傭兵団は、
私たちを“敵”と認識した。
……やっと、
同じ土俵に立っただけやけどな




