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三十路おばちゃん、誕生日に異世界転移したら即プロポーズされて死後も一緒でした  作者: いぬぬっこ


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10/20

闘技場の街で、師匠(変人)に拾われました

三兄弟が仲間に加わってから、数日。


人数が増えた分、

移動は遅くなるし、

食費は増えるし、

夜の見張り当番表はごちゃごちゃになるし。


……うん。


完全に旅慣れてない集団や。


「なあエドウィン。

これ、傭兵団っていうより――」


「難民の隊列だな」


即答やめて!?

的確すぎてツッコめへん!!!


そんな私たちが辿り着いたのが、

闘技場のある街・ヴァルド。


高い城壁。

石畳。

どこからともなく聞こえてくる歓声。


「おおおおおお!!」


……うるっ。


中央にそびえる円形の建物。

コロッセオ。

でっか。

ほんまにでっか。


「ここ、剣闘士の街や」


元副官が言う。


「腕一本で、金も名声も手に入る場所」


「命も失うけどな」


エドウィンが、さらっと補足。


やめて!!

観光気分が死ぬ!!!



街に入った瞬間、

空気が違った。


強いやつが正義。

弱いやつは踏まれる。


単純で、分かりやすくて、

だからこそ、怖い。


エドウィンは、

闘技場を一目見て、無言。


……出る気やな。

これ。


「ちょっと待って!?

今、団体戦とか始める気!?」


「情報と金が必要だ」


冷静。


「ここが一番早い」


理屈は分かる。

分かるけど!!


「パパ、かっこいい?」


ユリウス、目キラッキラ。


あかん。

完全に憧れフィルターかかっとる。


「……ほどほどにな」


それだけ言って、

私は市場の方へ逃げた。


だって私、

血と歓声のセット、苦手!!!



市場は、

闘技場とは別の意味で、カオス。


肉。

香辛料。

怪しい薬草。

怪しい魔道具。


怪しいの、多すぎや!!!


そんな中。


「……そこの奥さん」


声、かけられた。


振り向くと。


白髪。

ローブ。

目が、やたら鋭い。


……第一印象?


絶対ロクでもない人。


「魔力、漏れてますよ」


「え?」


「しかも、使い方が下手」


ぐさぁ!!!


「独学?

それとも村の婆様?」


なんで分かるん!?


「……後者です」


「でしょうね」


即納得やめて!!!


「興味ある」


そう言って、

その人は私の手を掴んだ。


「ちょ、ちょっと!?

なに掴んで――」


「魔力回路、ぐちゃぐちゃ」


ひどい!!

けど否定できへん!!!


「放っといたら、

そのうち自分で自分焼きますよ?」


……え、怖。


「名は?」


「……レミ」


「私は、エルザ」


短く名乗って、

にやりと笑う。


「今日から、あんたの師匠になってあげる」


いや勝手に決めるな!!!


「弟子入り料は?」


「生き延びたいなら、安いもん」


脅しやん!!!


でも。


この人、

ただ者じゃない。


魔力の流れを見る目。

触れただけで分かる精度。


……直感が言う。


この人に会わんかったら、

私、いつか死ぬ。


「……お願いします」


頭、下げた。


エルザは、満足そうに頷いた。


「よろしい」


「じゃあまず」


「基礎から叩き直します」


「え?」


「魔法はね」


にこっ。


「根性論じゃない」


それ、もっと早く言ってほしかった!!!



その頃、闘技場では。


エドウィンが、

また一つ、伝説を増やしてたらしい。


……知らん。


私はこの日、

人生二度目の「師匠」に出会った。


一度目は、

村のおばあちゃん。


二度目は、

多分、変人。


でも。


強くなるためなら、

なんでも来い。


――そう思えるくらいには。


私たちは、もう

引き返せないところまできていた。

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