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最強の転移者 〜俺は俺のペースでエンジョイするからお前らの物語に付き合わねーよ〜  作者: 海岸線の夕日


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7/10

7話 縦穴シェルターの夜明け

夕暮れの光が森の木々の隙間から差し込み、縦穴シェルターの入り口付近をほのかに照らしていた。目を覚ますと、すでに時間は大きく進んでいた。どうやらあのまま寝てしまったみたいだ。


体を起こし、伸びをしながら状況を整理する。今日できることは限られているが、やるべきことは明確だ。


まずはポーションとヒールの効果を検証すること。慎重に靴下を脱ぎ、両足の裏を確認する。細かい傷がいくつもあり、所々に血が滲んでいる。これで治癒の過程を観察できる。


収納からポテチの空き袋を取り出し、魔法の詠唱を始める。「ポーション」――呪文と共に液体が現れ、慌てて袋でキャッチした。キャッチしたポーションを慎重に空き缶に注ぐ。一度では足りないようだ。もう一度詠唱を繰り返し、ようやく空き缶がいっぱいになる。


『低級ポーション』


鑑定の結果は予想通りだ。まずは飲んでみることにした。缶に口をつけ、半分ほど飲み干す。時間はかかるが、体の内側から変化が訪れる。頭が少しすっきりし、体のだるさが和らぎ始めた。足の痛みも軽減されたが、傷そのものはまだ残っている。大量に飲めば治るかもしれないが、効率を考えると直接かけた方が良さそうだ。


片方の足の裏にポーションをそっと注ぐ。すると――


傷が徐々にふさがっていくのが目に見えて分かる。細胞が再生し、皮膚がなめらかになっていく。これは驚くべき効果だ。


もう一方の足には光魔法を試してみる。


「ヒール!」


――手から柔らかな光が放たれ、足の裏を包み込む。ポーションを直接かけたときと似た感覚だが、明らかにMPの消費が大きい。やはり長期的にはポーション作りが鍵になりそうだ。


検証を終え、泥と血で汚れた靴下を履き直して外へ出る。夕暮れの森は静かで、鳥のさえずりだけが響いている。適当な葉のついた枝を探し、縦穴シェルターの入り口と階段部分を隠す作業に取りかかる。これで一応の目隠しは完成だ。


次に寒さ対策。朝の冷え込みは厳しい。縦穴の一角に簡易的な暖炉を作ることにした。ディグの魔法で土をくり抜き、炉床を形作っていく。入り口はやや狭くし、煙が上方へ逃げるように設計する。


通気口を作るため、仰向けになって顔を炉の中に突っ込み、上方向へディグを連発する。魔法の射程は約1メートル――現在の限界だ。地上からもディグを繰り返し、通気口をつなげていく作業は骨が折れたが、何とか完成させることができた。


日が完全に沈み、森は深い闇に包まれた。薪を集め、暖炉に火を灯す。最初は小さかった炎が次第に勢いを増し、縦穴シェルターを優しい光で満たしていく。


パチッパチッ


薪のはぜる音が静かな夜に響く。焚き火の灯りが暗かった空間をほんのりと明るく温め、心に安らぎをもたらす。今日は限られた時間だったが、必要な準備は整った。


外は冷たい夜風が吹いているが、この小さな縦穴の中には、確かな暖かさが広がっていた。


まるで希望という名の光を――

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