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公善とバランス

作者: 大桑

 公善は造語です。そのまま、公の善という意味で、学校教育とかネットで公開される主張における正義のことです。

 また、タイトルのみ変更しました。元24時間で消えるエッセイシリーズ(?)です。

 是として定めるべきではあるものの、必ずしも実行されなくてよいこと。


こんな意味の単語があったら良いのに。



少なくとも、今の私の語彙にそんな日本語はないから、ここではAとおく。


数学に苦手意識がある方もこれに発作を起こさず、一旦ついてきてほしい。代入以外、数学っぽいことは言わないから。



食べ物を残さないことはAだ。


必ずしも善じゃない。


「苦手なものを食べるストレスによる損害は、無理に食べて得た栄養の利得を上回る」なんてことを言う人もいるし、


より共感を得られるのは感染症対策や、食中毒への対応だろう。


患者の食べ残しや変な匂いになった食べ物は、健康の観点から残すべきである。


これは、

「食べ残りそうだと事前に判断し、手をつける前に食べられる人に渡す。」


とか


「変な匂いになる前に食べる。」

「食べ切れない量を購入しない。」


といった工夫を否定しているのではない。



既に時遅し。諦めよという場面が存在するという話だ。



だから、食べ物を残さないことは善ではなく、Aなのだ。



それでも、基盤として


「食べ物を残してはいけない」


という価値観は公善であるべきだと思う。



それは、少し勇気が出た時に苦手だった食べ物に挑戦することを褒め称えるから。


「好き嫌いは特にない!なんでも美味しく食べられる!」


と言う人達を羨ましく思うことも理由の1つだし、誰かが美味しいと思っているものを美味しくないと主張せずに済むことは、人間関係を円滑にする。


もちろん、食料自給率の低い日本で食品ロスをしている場合ではないという現実もある。



 お茶碗に6粒くらい残ったお米粒を「残っている」と認識できていなくて、一粒一粒まで食べることを教えてもらって知ったときの驚きを私は覚えている。


お箸でお米粒を掴めるようになったころだから、年長さんか小学1年生か。


それ以前の私には、「一口分」が最小単位だった。


「子どもは、教えられないと知らない」ということを知らない大人は案外多いんじゃないかな?



「苦手なものを無理して食べなくていい。食べたい人が美味しく食べるべきだ。」


と言う人がいるけれど、これはあくまで自分で美味しく食べられることを理想とした上で重ねてほしい。


そうしないと、食わず嫌いを苦手とみなして、挑戦することさえ悪だと認識してしまう懸念は十分にあると思うから。



 だから、食べ物を残さないことはAだ。


必ずしも実行されなくてよいことではあるものの、是として定めるべきだ。



 私は、このエッセイが仮に国語の題材であったとして


問 作者は、食べ物を残すことを肯定している。


という丸バツ問題があった時に、丸と答えられてしまうかもしれないと恐れている。


私は、食べ物を残すことを全肯定も全否定もしていない。場合分けをしているから、Aなのだ。


その上で、誤読される恐れが十分にあることを認めているのは、日本語にAを表す単語がないからだ。


言葉がないということは意識される概念がないということだから。


だから、是として定めるべきではあるものの、必ずしも実行されなくてよいことを意味する単語が欲しい。


「食べ物を残した方が良い場面がある。」

「食べ物を残してはいけない。」


これらは矛盾しているようで、各個人がバランスを掴まなければならないものだ。


「残した方が良いこともあるよね!食べ切れなかったら捨てれば良いだけだし、正直食べ切れないと思うけど買っちゃえ!」


と常日頃から思ってしまう人には、もう少し「食べ物を残してはいけない」に比重を傾けてほしいし、


「炊飯器のお米、冷凍するの忘れてた……。なんか、変な匂いする……。でも、残したらいけないし……。」

と食べて体調を崩してしまう人には、もう少し「食べ物を残した方が良い場面がある」に比重を傾けてほしい。




 このエッセイを読んでいて、

「結局どっちなの?」

と思ってしまう人向けには答えを示そう。


「主張を一貫させることはAである。」



A……是として定めるべきではあるものの、必ずしも実行されなくてよいこと。

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