1 シーズン1のあらすじとシーズン2プロローグ
超箱入娘響子の理想的恋愛の続編(シーズン2)です。シーズン1よりもやや波瀾万丈な展開になっています。引き続きお楽しみください。
お嬢様育ちの響子は恋愛は未経験。デートはおろか男子と食事さえしたことがない。そんな響子は大学生になって初めて親元を離れて東京で暮らし始める。
男性と接したことのない響子は、興味本位でガールズバーでアルバイトをしながら男の子の品定めをしているが、ある時紳士的で話の合うおぼっちゃま育ちの英介に関心をもつ。
英介がクラシック音楽が好きでヴァイオリンをやっていることを知ると俄然興味が湧く。というのも彼女は幼い頃からピアノをやっていて、現在は音大のピアノ科に在籍しているからだ。
そして大胆にもいきなり自分の家に来るように英介を誘ってしまう。彼女のピアノの伴奏で英介がヴァイオリンを演奏する、それも実家を離れて東京で一人で住んでいる響子の家で。ドキドキする英介。
響子の家で二人っきりで自分がどうなってしまうか不安な英介。ところがその家に住んでいるのは響子だけだと思っていたのに、小学生の瑠璃子という妹がいて、英介と響子が合奏練習をする時にはなぜかいつも一緒にいるのだ。
おかしな話だが、瑠璃子がいるおかげで英介はほぼほぼ妙な考えに悩まされることなく練習に集中することができたのだが、毎月1回のペースで響子の家で合奏練習をし、もう2年にもなるというのに、まだキスどころか手さえ握ったことがない状態が続いていた。
英介はいつものようにヴァイオリンを背中に背負って響子の家へ向かっていた。女子大生の響子はとても魅力的な女性だ。清楚系の美女であり、スタイルも美しく、丸い胸の膨らみはかわいらしくふくよかであり、スカートから伸びている足は曲線美の極みだ。
普通だったらとっくに男女の関係になっているだろう。だが響子は今どきの女の子とは違う考えを持っているようであり、何を考えているかわからないのだ。何しろやっと美術館デートに漕ぎつけたのに、何とその時も妹の瑠璃子が一緒だったのだ。
英介は正直言って性欲に悩まされないわけではなかったが、瑠璃子のおかげでもう2年にわたって清い交際を続けることができている、この奇跡的な状況を楽しもうと考えるようにしていた。
この美人姉妹と音楽を通じて交わり、しかも毎回ロールケーキなどのスイーツが登場するのだから、これって世間的には奇妙かもしれないが、なかなか経験することのできない、理想的な恋愛ではないかとさえ思うのだ。
そんなことを考えながら響子の家に向かう英介の足取りは軽やかで、響子や瑠璃子との楽しい音楽の集い、そしてこれもまた楽しい会話、美味しいスイーツのことを思って心は弾んでいた。ちょうど最寄りの駅で電車を降りて改札に向かっていると
「やあ、英介じゃないか。久しぶりだな。元気か。」