君との出会い
「今日からこのクラスの一員となる‘’桜木誉‘‘君です。」
そうして、担任の大倉先生に紹介を受けた新入生、顔は一般的に整っている部類に入るのだろう、女子並に小さい顔にぱっちりした瞳、綺麗にセットされた髪、名前の通り周りの人に褒められるようなタイプだ
そんな彼が慣れた様子で教壇の前に立ち自己紹介を始めた。
「桜木誉です。親の転勤で此処に越して来ました。趣味は都市伝説やホラーなどの話を調べる事です。よろしくお願いします。」
すらすらと自己紹介を述べると先生から
「じゃあ桜木君は、神条さんの隣の席に座ってくれる」
先生が私の隣の席に桜木君に座る様に言った
途端クラスの女子の過半数に私は、妬む様な視線を向けられる。
そんな空気を気にもせず先生は、彼が席に座ったのを確認し指示を出し始めた。
「其れでは、ホームルームを始めます。日直さん号令お願い。」
そう簡潔的伝えた先生の指示通りに号令を掛ける日直、日直の掛ける号令の通りに動くクラスメイト、転校生が来た事以外は何の変哲も無い朝のホームルームが始まった。
連絡することがなかったのかホームルームはすぐに終わり一斉に席を立つ女子達を横目に私は、教壇の前で私の方を向き手を拱いてる先生の方へ足を進めた。
「神条さん、隣の席のよしみって事で桜木君に学校を案内してくれないかしら」
先生はそう私に告げると次の授業の準備があるのだろう、そそくさと教室から出て行ってしまった。
私は、いつ案内しようかなんてこ事を考えながら一瞬桜木君の方へと目を向けてみる。
ホームルームが終わってから彼は、イケメンが引っ越してきた恋愛小説のような展開を前に、彼に気に入られようとごまをする女子達。
新しく加わった男子がどんの奴なのかと言うことに興味津々な男子達。
そんないわゆる“陽キャ“と呼ばれる部類の人間に囲まれ質問責めにあっている様だ。
まぁ私には、そんな陽キャ軍団の居る所に突っ込んで行く度胸なんて無いので大人しく私の席から離れた友人の席に向かってまた足を進めて歩き出した。