傷と砂埃と錆こそが、最高のウェザリング
皆さんは普段、どれくらいの頻度で自転車に乗りますか?
もっさんは(雨の日を除いて)ほぼ毎日乗っています。
一年の内の270日くらいは乗っていると思います。
そんな年がら年中自転車をブイブイ言わせてるもっさんですが、そろそろ大きな決断をしなければならない時がやってまいりました。
それは、自転車の買い替えです。
親に購入してもらってから、はや十年。
ふと気付いた時には、ここ二、三年で走る度にギコギコと呻き声を上げてきました。
ブレーキパイプもチェーンも立派な赤銅色に染まっています。
古龍の血と大地の結晶を大量に使って研磨すると、古代のオーパーツになりそうです、きっと高い龍属性値を秘めているに違いありません。
固定式の鍵も、キーを差し込んだ上で手動で押し上げないとならないほどにガタついています。
お店に並んでいた時は美しいレーシングブルーに輝いていたボディも、今では艶消しクリアーを吹き掛け過ぎてウェザリング塗装に失敗したような色褪せっぷりです。
これまでに幾度となくパーツを交換したり、時には知人にチューンナップを頼んだりもしましたが、いよいよご臨終なさる時が近付いて来ているようです。
豪雨の日も台風の日にも負けず、時にはチェーンが脱落してもっさんを真夏のアスファルトの上でミンチよりひでぇやにしたり、飛び出したお子さまを避けるために神憑りなテクを披露したりと、乗り手の生命安全を考慮しない殺人的な降霊術師でしたが、いざお別れの時となると感慨深いものがあります。
買い替えの前に、写真を撮って思い出に残しておこうと思います。
歴戦の風格が(多分きっと恐らく)出ています。さすが、電柱に喧嘩を売られて正面から激突した時も、もっさんを生贄にして生き延びただけのことはあります(ぉぃ
こいつと駆け抜けた時間は、決して穏やかなものばかりではありませんでしたが、悪くない十年間でした。
さて、そろそろ外出の時間なので……
――もう少しだけ付き合え、相棒。
年内中には、買い替えですかね……