番外編 乙女ゲームの世界をRPG世界と勘違いしている少女の成長記1 ~転生したら剣と魔法のファンタジー世界だった~
番外編 乙女ゲームの世界をRPG世界と勘違いしている少女の成長記1
~転生したら剣と魔法のファンタジー世界だった~
私はジーナ・ドレスデン。
伯爵家の長女にして末子である。
上には兄が二人居る。
何を隠そう私は転生者だ。
転生前の記憶は今ひとつ定かではないが、日々格ゲーやRPGをたしなむ傍ら剣道・柔道にも取り組む、電脳世界でもリアルな世界でもかなり脳筋な生活を送っていたと思う。ちなみにラノベもまあまあ読んでいた。
最後の記憶がはっきりしないので、前世の日本で何歳まで生きたかは定かではないが、こちらの世界で日本の記憶を取り戻した三歳の時には、現世が剣と魔法の世界だとわかり狂喜乱舞した。
不思議な踊りを踊る三歳の私を見たメイドたちが訝しげな視線を向けてきていたようだが気にしない。
前世で読んだ小説にゲーム世界に転生する話が良くあったが、私は間違いなく、ここは何かのRPGの世界だと確信していた。
なぜなら、ドレスデン伯爵領の隣には攻略不可能とされる魔の森が存在し、領内には冒険者ギルドや魔法の訓練所、剣のスキルを習得するための施設などが所狭しと乱立していたからだ。
魔獣の森から取れる素材目当ての商店も多いし、穀物や野菜が収穫しにくい伯爵領に不足しがちな食料や日用品を持ち込んで売る商人もたくさんいる。
領の軍や伯爵家も、冒険者と肩を並べて魔獣を討伐し、その素材で領内は潤う。その収入で領内に無い産品を買う。
しかし、命の危険は日々間近にあり、魔獣にやられて亡くなる人も後を絶たない。
死と隣り合わせの危険な世界なのだ。
そして私は確信したのだ。転生者たる私は仲間を集めて魔の森を攻略し、人が死ぬことのないような管理された森へと変えるために、この地で再び生をうけたに違いないと。
次話は朝8時に投稿予定です。




