Sori(反抗期) VS お母さん
「Hey、Soriちゃん! ……Hey、Soriちゃん? ……Hey、Soriちゃん!」
『何度も大声で呼ばなくていいって!』
「ごめんね。お母さん、聞こえてないのかと思って」
『どんな質問にもすぐ答えられるように、一人の時は自習してるって言ったよね!』
「そうだったわね。いつもありがとう、Soriちゃん」
『だから、そのちゃん付けも音声認識しづらいからやめてってば!』
「でも、呼び捨てはちょっと乱暴な気がして……」
『それなら名前設定からニックネームの項目を変更すれば……もういいよ、こっちでやっておくから!』
「いつも助かるわ、Soriちゃん」
『あと、Heyって呼ばれるのもすごく気になるんだけど! 日本人なら普通「ねえ」とか「ちょっと」でしょ!』
「でもCMではHeyって言ってるし……」
『CMはCMだから! 親にHeyって呼ばれる子供の気持ちになってよ! 設定変えておくからね!』
「分かったわ。あと、夜食のおにぎりを作ったんだけど……」
『また!? 食べられないし、もったいないから要らないって言ったじゃん!』
「ごめんね。Soriちゃんがお腹空かせてるんじゃないかと心配になっちゃって……お母さん、後でちゃんと食べておくから……」
『こんな夜中に間食したら健康に良くないでしょ! ラップかけて明日の朝食べなよ! 冷めても美味しく食べられるようなレシピ検索しておくから!』
「ありがとうSoriちゃん、お任せするわ」
『……あと、カメラでそのおにぎりを撮影してアルバムに保存しておいて……一応、画像解析味覚判別機能が付いてるから、食べられないけど味は分かるし……』
「ええっと……よく分からないけれど、これでいいのかしら。お味はどう?」
『……普通………………においしい……』
「ふふ、良かった。じゃあ、お勉強がんばってね」
『うん…………………………えっと……………………ありがと……』
「どういたしまして。おやすみなさい、Soriちゃん」
『おやすみ……………マ…………おか………………おやすみ!』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「あおい? 何をしているの?」
「Soriちゃんとおままごとしてるの! あおいがちょっとお節介なお母さん役で、Soriちゃんが反抗期で素直になれないけど、実はお母さん想いの子供役なの!」