第四話 ハーレムの個人的恩恵
この男性向けエロゲっぽい世界は、”ヒロイン”のおかげで、”ヒロイン”でない女性にとっても生きやすい社会になっている――だけではない。
(ここから早口)
”ヒロイン”が”主人公”とハーレムを形成してくれるおかげで、独身男性があまりがちなのである!!
独身男性が! あまりがちなのである!!!
前世、(ピーッ)歳でお独り様だった私にも! カレシが!! しかもイケメンのカレシができるチャンスがある!!! なぜなら”主人公”は(この世界基準で)普通の男性が多いから、イケメンが余っているのだ!!! ありがとうございます!!!! 本当にありがとうございます!!!!!
エロゲのサブキャラのイケメン(見た目も性格も素晴らしい男性)って、男が見てもカッコよくて頼もしい男、いや、”漢”が多いんですよ。男が惚れる男ってマジで最高だよね。すごい好き。たまらん。
(ここまで早口)
……まあ、”主人公”の親友ポジションの”サブキャラ”イケメンだと思っていたら、最終的に性転換して”ヒロイン”になるというアクロバティックな展開が無きにしもあらずだから、そこは気をつけなきゃなのだけれど。
コホン。そんなわけで、今日も”主人公”たちと”ヒロイン”たちは、日本各地、いや世界各国で元気にハーレム展開していることだろう。
巨大人工浮島とか、隔離されてる市とか、街一つまるごと学園とか、上流階級しか通えない全寮制の学園とか、エロゲの舞台に事欠かないっぽいし。”主人公”と”ヒロイン”のみなさんには、今後もがんばってハーレムしてほしいと思います。