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第十話 対策の抜本的な見直し

 早朝の空気を胸いっぱいに吸う。今日も良い天気になりそうだ。


 つい先日、隣の市で爆発事故があり周辺一帯が停電したり、海上を震源とした大きめの地震があったりした(※1)けど、エロゲみたいなことが起きるこの世界ならわりとよくある。いつも通りの治安の悪さだ。


 軽くストレッチをしてから、ヨタヨタと走り出す。静かな住宅街は、いろいろ考えながら走るのにピッタリだ。まずもって考えなければいけないのは、男性向け同人エロゲの女主人公対策について。


 ――私は甘かった。


 エロゲみたいなことが起きる世界、舐めてた。ちょっとエロゲの知識があるからって調子に乗っていた。この前、『JK連続絶頂耐久訓練~イき狂い地獄~』みたいな体験をして、考えを改めた。


 エロゲをやっていると、「馬鹿になる」「頭がおかしくなる」「死ぬ」などといった喘ぎ声をよく見かける。フィクションにおける誇大表現だろうけど、エッチだからヨシ!と思っていた。


 しかし、この世界では”セックスで精神が壊れる”が事実として起こる。だって、エロゲみたいなことが起きる世界なんだから。おじさんのトンでもないテクニックを味わって、心から理解した。理解したからこそ、より強く思う。


 ――男性向け同人エロゲの”女主人公”とかゼッタイなりたくない……!


 ということで、おじさんの”訓練”が今後も行われるであろうことを加味して練り直した対策がこちら。


【Before】

 ①体を鍛えて逃げ足を早くすること。

 ②処女でなくなること。


【After】

 ①逃げる・避ける方法を中心に護身術を教えてくれる相手を見つけること。

 ②処女でなくなること。


 え? ②が変わってないって? ていうか、おじさんの”訓練”があるならいらないんじゃないかって??


 逆だ。


 おじさんの”訓練”があるからこそ、早めに処女でなくならなければならない。


 だってここ、エロゲみたいなことが起きる世界やぞ? そんな世界で”エッチなことに強い処女”とか、なんやかんやでハメられて即堕ちしてアヘ顔ダブルピースさらす未来しかなくない??


「くんれんとぜんぜんちがう! お■■ちんしゅごいのぉおお!!」とかいう展開にゼッタイなる。知ってる。なぜなら、そういうのいっぱい見てきたから。


 というわけで、今日からこの二つの対策を進めていきたいと思う。

※1 おじさんたちは勝ちました。おじさんも満身創痍ですが生きてます。

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