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ちょうちんわん公がゆく  作者: イズクラジエイ
第三章 星の海と炎の海
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#049 『光線』



「おいおいおいおい! まったく、いいかげんにしろよお前らぁ! おい!」


(だいぶ消耗させたな。奴の注意も散漫になってる……いけるぞ)


 最初は危なかったが、相手を疲れさせる算段は概ね予定通りに事が運んだ。



「ピエーン!」


「バウム。……いいぞ」


「ウム」



 俺は事前に立てた作戦の準備が出来たことの合図をバウムに送った。


 すると、バウムが微妙に捕まらない間合いからビトーにちょっかいを出していたのをやめ、積極的に間合いを詰めていく。


 バウムの放つ真空波は予備動作が大きく、ビトーの超人的身体能力の前ではかわされてしまう可能性がある。


 初撃はかわされてしまったが、あれも想定の範囲内であった。



「おいおいおい、アルバート博士。俺の能力を知ってるだろ。博士の力は俺には通用しない」


「ウム。それはどうかの」



 バウムはワザとビトーの手の届く範囲に寄って羽ばたき挑発した。



「おいおいおい、俺を舐めているのか博士!」


「今だ! わん公!」



 ビトーはとうぜん手の届くバウムを捉えにかかった時、俺はバウムの丁度背後に設置しておいた『仕掛け』を発動させた。



「しまっ……ああ!」



 バウムの背後から後光のように輝く強烈な光がビトーの視界を奪ってゆく。


 おれはデコイとして使っていた切り離した光の玉を輝かせず、見えないように事前に設置していたのだ。


 それを防げないタイミングで俺は目眩ましの光を発動させたのだ。


 そして、まともにその光を浴びせビトーの動きを封じることに成功した。



「ウム。隙だらけだの」



 すかさずバウムは宙返りから全身を使ったムーンサルトのような動きで放った真空波がビトーに直撃した。



「ずあ゛ぁぁ!」



 一瞬の出来事だった。


 ビトーも危険を察知し体を捻ったが避けきれず、バウムが放った渾身の真空波はビトーの右手を根本から切り飛ばした。


 まばたき数回の間に地面に落ちる右腕。


 俺はそれを確認してすぐ次の行動に入った。




  「光よ集まれ! ラジアルレイ!」






「くそっ! 寄るなぁ!」


 残った左腕を振り回しその場から走って移動するビトー。




「ウム。勘のいい奴め」



 俺は光を一点に収束し、火を起こした時のようにビトーに向かって光線を放ったが避けられてしまった。


 光はまっすぐと進み、先にあったジョージア・ガイドストーンを照らして赤熱させたあと貫いた。



(うぉ! 思ったより火力あるなこれ)


 自分でちょうちんから放った光線の破壊力に思わず驚いたが、まだ焦点を絞って目標に当てるまでにタイムラグがある。


 何度か事前に試してはいたが、残念ながら実戦でいきなり動く目標では通用しなかった。


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