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ちょうちんわん公がゆく  作者: イズクラジエイ
第三章 星の海と炎の海
47/63

#046 『作戦会議』

分かりやすいように挿絵として人物相関図作りました。




 ゆっくり出来たが、もうすぐ夜明けになる。


 俺たち魔獣は国境を目指していたが、明るいうちになるべく移動したほうが良い。



「ちくしょう! もう来たのか!?」


「ウム。気づいたかわん公」


 なぜなら、俺達3匹は注意さえしていれば、普通の人間より遥かに探知能力が高い。


 犬の魔獣の俺は嗅覚に優れ、梟のバウムは神の全能の目アイ・オブ・プロビデンスという固有能力を持つ。魔力消費が激しいものの透視、遠隔視、近未来予知が可能で頼りになる。



「ピエーン」


 うさぎ型の魔獣のエクレアは喋れないが、恐らく聴覚が優れているようだ。彼女も何かに気づいたようだ。


 何かというのは俺達の置かれている境遇から考えれば、予想の範疇なのだけれど現在この国の軍隊に追われている。


 理由は不本意ながら国家反逆罪だ。


 つい先日の話だけれど、国家元首であり軍の最高権力者であるデミタス総統との取引を蹴って逃げたのだ。


 バウムは軍の機密情報を保持しているし、俺達は軍の極秘実験の被験者でそれが脱走したわけだから、追わない理由はない。



「……この匂いはあの2人組じゃないな」


「ウム。まだ離れているが、ビトーが単独で来ているな」


「あの筋肉モリモリ軍人か。知り合いなのか?」


「ウム。私達とは別の研究の実験体で能力者だ」


「マジかよ。化け物ばっかりかよこの世界」


「ウム。作戦会議だ」


「ピエン!」





 ピエンとしか喋れないエクレアが会議に参加する意味があるのかは謎だが、魔獣3匹の知恵で軍の追手をどうやって切り抜けるか作戦を考えた。


 距離と移動速度から考えて相手は徒歩だ。会敵までまだ時間はある。


 幸いバウムの話ではビトーはあまり計算して動くタイプでは無いらしい。


 ただでさえ強そうなビトーの固有能力聞いて愕然としたが、脳筋なら付け入る隙はあるはずだ。


 国境まで逃げ続けるという選択も考えたが、どうやら何らかの方法でこちらの場所を補足しているようだ。


 ロブスタ軍にはその気になれば高速で移動する手段はいくでもあるらしい。


 ならば、危険をおかしてでもここで迎え撃つという結論になった。










 ★ ★ ★ ★ ★









「よし、こっちは準備オッケーだ」


「ウム。間に合ったな」


「ピエーーン!」


 敵も腐っても軍人。戦闘のプロだ。真正面から3匹相手に突っ込んでは来ないだろうとふんでいたが、さすが脳筋は伊達ではない。全然そんな事はなかった。


 ビトーは何の警戒心もなく、余裕で俺達の前に堂々と歩いて現れた。



「おい、おいおい! こんな見晴らしのいい所で待っててくれるとは嬉しいね。アルバート博士。そのまま大人しく同行してくれればもっと嬉しいんだが」


「ウム。大人しく捕まる気なら始めから逃げたりせんの」


「おいおい……そりゃそうだ」


挿絵(By みてみん)


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