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ちょうちんわん公がゆく  作者: イズクラジエイ
第三章 星の海と炎の海
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#024 『黒い塊と太陽発電』



 煙が波風と共に押し流されてゆく様を無心で眺めた後、しばらくしてからである。


 パキッっという小さな音に気づいて目線を下の浜辺にやると、黒い塊が動いてにヒビが入っている。


 あの大きな塊……まさか。


 もしやと思い、俺はその黒い塊に近寄ってゆく。



(これが……エクレア……なのか?)



 黒い塊は元が何であったかもわからないほど黒焦げになっており、表面が高温で部分的にガラス化して光を反射している。


 その塊が温度が下がってきた事により、熱膨張の関係で表面が割れる音がしていたのだろう。


 その塊のヒビを覗き込み、元々「何であったか」を確認しようとした時だった。




 さらにそのヒビは大きくなり、周囲の地面が左右に動いて盛り上がってゆく。



「パキッ、パリパリ、パパパラララ……」



(なんだ、なんだ!? 地面の下に何か居るぞ)



 黒い塊が割れてせり上がり、地面の下から何かが生まれるような動きをしている。



「ピエ!」


「エクレア!」



 地面の下の動いてる物の原因はすぐに分かった。


 エクレアがあの猫の炎から逃れるために、咄嗟とっさの機転で地面の下に潜っていたのだった。



「ピエ……ピエェーーーーーーン!」



 体毛がところどころ焼け焦げ、ボロボロになった俺の姿を見るなり、いつもどおり泣き出すエクレア。



「エクレア、良かった。無事だったんだな」



 ここへ来て今まで無いくらい「ほっ」とした。


 俺は意識があるのが不思議なほどに、瀕死という言葉がしっくりくる状態だったのに、己の身も顧みずこんなに他人のいや、他ウサギが無事だったのが喜ばしいとは。


 ゲームでわかりやすく例えると残りHPが1とかそんな状態だったはずだが、なぜか俺の体はそこからでも回復していった。


 なにか光を浴びていると元気になる気がする。


 人間の時も、朝起きて家を出た直後の日を浴びる時、それは清々(すがすが)しかったけれども、そうじゃない。



「ち、力がみなぎってくる!」というアレだ。



 何とも無い時だとそうでもないが、瀕死だった今だからこそ良く分かる。


 この異常な体質。


 多分、俺は光で栄養が補給ができてる、こころなしか頭のちょうちんの輝きも戻ってきていた。


 エネルギーのみなもとが光とは……これはこれで、便利?


 これではまるで、植物や一部の単細胞生物が光からエネルギーを作り出す化学変化【光合成】だ。


 いや、俺の体に光合成に必要な葉緑素とかないし、水中でも呼吸できるって事は――


 ――いちばん近いのは多分あれだ。



「……太陽発電ソーラーチャージャーかよ」


「ピエ?」



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