#000 『プロローグ』
新連載始めました。
よろしくお願い致します。
気がつくと犬になっていた。
どこだここは?
周りは白い壁の殺風景な部屋。
しかも、ガラスのような透明な箱で囲われた空間に閉じ込められて居た。
(うう……頭が痛い。なんだこれは)
記憶が混乱している。
なんでこんな事になっているのか思い出せない。
(ひっ!?)
隣に何か動くものがいて驚いた。
頭痛に耐えながら、隣をよく見ると青い巨大なナマズ?……いや違う。
見えるのはまるで、ぶよぶよした巨大な深海魚のようだった。
丁度アンコウのようなちょうちんが付いた太った魚がどっしりと鎮座していた。
そのチョウチンアンコウらしき奴も透明なケースに囲われている。
(うわぁ! デカイ! 怖い! ……そして光ってる!)
「ウムゥ。やめるんだ! まだ分からんのか」
「博士、もう後には引けないんだよ。これで何もかもお終いだ」
上の方で揉めているような声がする。
見上げると、気のせいか檻のような物に入った梟が喋っているように見える。
少しして「ウィンウィン」と何かが動き出したような音が段々と大きくなっていく。
(わわ、なんか動いてるぞ。え? 何これ怖い 痛っ!)
それから、さらに頭痛が激しくなり俺は何も考えられなくなった――
暫くして、なにやら頭の中に声が響いてくる。
「オマエ ソウカ ソウイウコトカ ナラバ タクソウ ワレノチカラ ラジアルレイ」
(なんだ? 誰なんだ)
「ジョウホウ ヲ ブンセキスル」
【固有名称】レイト
【固有能力】因果転命
新規固有有力 ラジアルレイ 追加獲得
【魔獣形態】深海魚型
形態上書き 犬型に変更
「ソシテ ユクノダ ジユウ ト ヒカリヲヤドシテ ユクノダ ユクノダ ユク……」
どこへゆけと言うのだろう。
声は頭の中に響いたまま、朧気な意識は遠く俺の記憶の底へとしまわれた――
もし『面白い』『続きが気になる』と思ったらブックマークと、広告下にある【☆☆☆☆☆】マークを選んで応援してね!
感想も待ってます。