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第22話

文化祭開始の合図が鳴り響くと、陽は我先にと5組のメイド喫茶に向かった。


結局カメラは持っていない。理由を聞いたら


「今度海咲が俺ために着てくれるみたいだからよ〜!別に必要ないぜ!」


と惚気けていた。やっぱりリア充爆発しろ!と思う。その後も「その時の海咲が可愛くてさぁ〜…」と惚気続けたのがウザかったので殴った。


始まって10分ぐらい経ったが、客は誰も来ていない。焼きそばとかには来ている。暇だな。何もすることがない。


置いてある仮面は戦隊ものとライダーもの、プリキ○アや、ポケ○トモンスターだ。ますます子供向けだな。


やることも無くボーっとしていると、陽が帰ってきた。ここまで1つしか売れていない。5歳ぐらいの子供が買ってくれた。


ちょっと陽と喋った後は仕方なく店番をやめてぶらぶらすることにした。あまり金を使いたくないので、見るだけ見て学校中を歩いていると、


「おっ!いたいた!神楽〜!!」


と懐かしい声が聞こえたので振り返ると姉がいた。


月夜(つくよ)姉ちゃん」


俺の姉は荒木月夜と言う。モデルをやっているだけあって身長は北風より少し高く、黒くて首まで伸びる髪をゆるふわにしている。目はパッチリとしていて、鼻の筋も綺麗。化粧をしているのかとても可愛く見える。可愛い系の女子だな。すっぴんでも俺と血が繋がっているとは思えないほど可愛い。


可愛いを連発しているがシスコンではない!姉が可愛いのは純然たる事実なんだ!今もそこら辺の男が振り返っているし。むしろ、姉ちゃんのほうがブラコンだと思うぞ!


「久しぶりだね〜。元気してた?」


「俺は大丈夫。姉ちゃんも無茶してなさそうで安心したよ。」


「最近話してなかったけど、学校どう?友達いる?」


「友達はいるよ」


1人だけど。陽がいればいいだろう。


「…そっか。安心したよ。…あの頃とは変わってるようで。」


あの頃というのは両親が亡くなった時だろう。あの時は本当にいろいろなことがあったからな。


「時が経てば変わるもんだよ。そして、あの時はごめん。」


「いいよ!別に!それよりなんで前髪そんなに長いの?」


うぐっ!それを言われるか。陽にも何回か言われたことあるけど、変える気は今のところない。


「落ち着くから。目が隠れてると。」


「勿体ない!ちゃんと整えたらイケメンなのに!」


そんなお世辞は求めていない。それに整えるなんて面倒くさいことを毎日してられない。


「俺のことは気にしなくていい。それより姉ちゃんは今からどうするの?」


「神楽と合流できたから、私は神楽について行くよ!あ、お金は任せて!お姉ちゃんが出すから!」


まじか…特に昼までぶらぶらと歩こうと思ってたんだが、姉ちゃんが来るならさすがに適当なことは出来ないな。


さて、どうするか…。


「とりあえず体育館で劇やってるからそれを見に行くか」


「了解〜!」


というわけで体育館で姉と劇を見た。見たのはロミオとジュリエット。時間的にもこれがいいということで見た。


良かったな。うちのクラスと被ることなくて。


「ロミオォ!」「ジュリエットォ!」


そうして見て思うが、ロミオ役とジュリエット役がなんか付き合ってるようにしか見えない。空間が甘いんだよ。陽が出す惚気ける時のオーラが出てる気がする。なので、あんまり内容は入ってこなかった。


「面白かった!あの二人付き合う前かな?」


姉が楽しそうで何よりだ。そいつらの事情は全く知らないから何も言えない。


移動してる時も思うが、みんな姉の方を見ている。やっぱり可愛いと思ってんだろうな。そういう奴らは姉を見たあと俺を見て、「え?なんでこいつといるの?」みたいな驚きの表情をする。「チッ!」と舌打ちまでしてくるんだけど。怖すぎる。


声を大にして「俺の姉です!」と言いたい。


そこからはお互いの近況報告をして時間を潰した。


「お昼ご飯そこのうどんでいい?」


姉が指差すのは、2年4組の出し物だった。まぁ、知り合いはいないからどのクラスでも関係ないが。


「それで頼む。ここで待ってていいか?」


「うん!そこで待ってて!買ってくるよ!」


そう言うと姉は列に並び出した。そこで見渡すと俺も知ってる人が見えた。


北風だ。だがいつもの4人組ではなく、他校の男子生徒と2人きりのようだ。アイツらがどんな関係でも俺には全く興味も関係もないがな。


北風の隣の男子生徒は平均よりちょっとかっこいいレベルで南高(なんこう)の制服を着ていた。


(みなみ)高校。佐倉高校とかなり近くに位置するんだけど、そこの生徒は素行が悪いことで有名。簡単に言うと不良が多いってこと。


北風がそんなやつと交流があるなんて以外だな。2人は体育館の方に向かっていた。


そんな2人を見て俺は不安を覚えた。嫌な予感がするのだ。別にアイツらが付き合っているのか?という心配ではない。けど、なんとも言えない漠然とした不安だ。


ここから北風たちの表情が見えたらな。それなら分かるかもしれないのに。


「買ってきたよ〜」


そんな姉の声でそっちを向くのをやめて、姉と向き合った。


不安を感じながら俺と姉は、買ってきたうどんを2人で食べた。







はい、嫌な感じがしますね。

まだ文化祭は始まったばかりです!


少しでも面白い、続きが読みたいと思ったら★とレビューをください!!


「クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える」もよろしくお願いします!!

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