見知らぬ施設での目覚め
プシューッッッ…という音と同時に俺の全身に体温が戻る。
目を開けると真っ白な見知らぬ天井が見えた。
「ここはどこだ?」
それが俺の真っ先に浮かんだ疑問である。
まずは情報を得るべく自分の眠っていた硬い箱を無理やり開けて鉄で出来た硬い箱から出ることに成功した。
「まずは自分の身にまとっているものを確認しようか」
俺は白い患者服をまとっていた。
「靴はないのか…冷たいな」
それもそのはず床は鉄で出来ている。
きっと床が冷えたのだろう。
周りには俺の入っていた箱が他に3個あった。
俺はまず1番近い箱に駆けつけた。
どうやら全ての箱の構造は同じのようだ。
顔元にあるガラスを覗く。
そこには14歳くらいの女の子が入っていた。
俺は箱をこじ開けようとしたがその幸せそうな寝顔を見てその気も失せてしまった。
俺はこの子の入っている箱を捜索した。
よく見るとこの子の足元の辺りに紙が貼り付けられている。
「花道 優花」
恐らくこの子の名前だろう。
箱の横には開封用のボタンが付いていた。そしてどの箱にも近くに白い机があるのが確認できた。
机の上にはこの子についての詳しい情報が書いていた。
が、俺は読まなかった。
この子のプライベートに触れるのはいけないし何よりこの子の許可なく見るのはデリカシーの欠片もないクソ男になってしまう。
そうなるのを阻止すべく資料に伸ばしそうになっていた手を戻した。
次は別の箱に向かった。
今度は金髪の女の子だった。
歳は大体16くらいだ。
名前は「シャルロット・スカーレット」と言うらしい。
資料があるのも変わらずボタンも付いていた。
次に見た箱の中は銀髪の同年齢くらいの男だった。
年齢は大体高校生くらいだ。
銀髪だから外人かと思ったがどうやら染めているだけのようだ。
彼の名前は「橋本 優多」らしい。
彼とは男同士仲良くしたいと思いながら机のあるはずの位置を見る。
しかし机はあったが俺含め3人に共通してあった資料が優多の机にのみなかった。
しかし俺はこのときは大して気にしてはいなかった。
そして廊下に出るとどうやら電気は通っていないらしい。
壁際にあった電池式懐中電灯を使いこの施設の探索に向かった……
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