表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
94/138

妹からの電話

 そんな事をくよくよと私は考えてしまっていた。

 昔の私みたいに、なんとかなる!!みたいな元気はどこにいってしまったのだろうか。


 弱気な事ばかりを考えていても、道は開かないのに……

 考えていても、何も始まらない。


「 あ!! 」


 なつみは、閃いたかのように急に大きな声を出した。


「 思い出した!リエ、さっきの子ってさ!ヒロキくんの妹じゃないかな? 」


「 あー、そういえばいたよねー!妹 」


「 うん、さっきの子前に見たことあると思ってたんだよね 」


 とても可愛い子だったなぁ。

 ヒロキくんも、何だかんだカッコイイって言われてる方だもん。


 私が呑気に考えている頃……

 ヒロキくんは、家族間の問題に悩んでいた。


 ーーーー


「 もしもし、お兄ちゃん?何でうちのマンションにあの車いすの人がいるの? 」


「 少し貸してるだけじゃないか。何で急にそんな事を言うんだよ! 」


「 お兄ちゃん最近、変だよ!あの人のせいじゃない?あの車いすの人とお兄ちゃん一緒にいて幸せになれるの?」


「 今は、ゆっくり話せないから来週そっちに言った時に説明するから。」


 ガチャ


 ヒロキは、妹の電話を無理矢理切った。


 妹は、兄思いの優しい子だ。

 なつみと一緒にいることをなぜあんなに嫌がるのだろう。

 どうして、あんな言い方を。

 妹は、味方でいてくれると信じていたからショックだった。

 俺は、妹のあの言い方に物凄く、腹が立ってしまった。


 何か、なつみに言わないだろうか。

 心配と不安が押し寄せる。

 なつみをこれ以上悲しませたくはない。


 早めに東京に行こうと決めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ