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桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
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心遣い

 心が温まる落ち着く優しい味に、私は癒されていた。

 色々な事がたくさん起きていたからか、心が疲れてしまっていたのだろう。


 私とリエは、お会計も終わりお店から出ようとしたら、お店の奥さんに呼び止められた。


「 リエちゃん、お友達と食べて!デザートね? 」


 奥さんがそう言って渡してくれたのは、小さなお饅頭だった。

 そういう心遣いがあるからこそ、長年やっていけるのだろう。


 リエと私は笑顔でお礼を言いお店を後にした。


「 たまにデザートって言って色んなのくれるの。前はね、りんごをくれたんだ! 」


 リエは、笑いながら私にそう言った。


 私もお客さんが笑顔で帰れる。

 そんな居心地のいいお店にできたら……いいな。


 きっとそれまでには沢山の努力があったのかもしれない。

 私も自分なりにできる努力をしていきたいといつも考えている。

 色々なお店を巡り、気づくこともまだまだこれからあるのだろう。


 その気持ちだけは揺れることも無かった。


 奥さんの来てくれた人を大切に思う気持ちは、伝わったからこそ、心が温まり癒されたのだろうか。


「 リエ、あのお店また連れて行ってね! 」


「 気に入った?美味しかったでしょ? 」


「 うん、とっても…… 」


 私とリエは、そう話しながらマンションへ向かっていた。


 沢山の人がいる都会。

 私は冷たさや強さを強く感じていた。

 こんな温かい気持ちになれるなんて思ってもいなかった。


 今の私には、そういう気持ちにさせてくれたことが嬉しくて、たまらなかった。








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