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桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
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知り合い

 あれ?どうしたのかな。

 急に足を止めて、リエはある方向をじっと見つめている。


 その方向を見てみると……

 男性と女性が仲良く楽しそうに歩いている。

 小さな子供も一緒に。


「 リエ? 」


「 あ、ごめん。ちょっと知り合いに似てたんだ 」


 ハッと我に返ったように、また進み出した。


 知り合いに似てるって言っていたけど、もしかして別れた彼氏じゃないかなぁ?


 顔は見たことはないけれど、聞いていた雰囲気にとてもよく似ていた気がした。


「 リエ、もしかして今の人って…… 」


「 あ、ばれた??うん、たぶんあの人 」


「 子供いたね 」


「 うん。知ってたんだけど、まともに見ちゃうとなんかね 」


 知ってたんだ。奥さんと子供がいる事。


 きっと私が想像しているより、辛かっただろう。

 少しでも話してくれていたら。


 反対されると思ったのかもしれない。

 頼りにはならなかったかも知れないけど、少しは楽になったかもしれない。


 みんながみんな、まともな恋愛をして生きてるわけではないと思う。


 リエには幸せになって欲しいと思う。

 私の大切な親友だから。


 私は、リエにたくさん助けてもらっているよ。


 私も少しでも力になれるようにならなきゃ。


「 リエ、私ソフトクリーム食べたい!お店の近くにあるから食べてから行こうよ! 」


「 はいはい。なつは、本当にマイペースなんだから 」


 街にはたくさんの人が歩いている。

 そして、時々思うことがある。


 この歩いている人達は、何を考えてどう生きているのだろう……と。


「 なつ、行列できてるよ?いいの? 」


「 うん、食べたいから並ぼう 」


 リエと私は、お店の近くにある行列のできるソフトクリーム屋さんの最後尾に並んだ。




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