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桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
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額縁

 ふう…やっと着いた。

 相変わらず人で溢れている。

 色々な方向から、ぶつかることもなく忙しそうに皆んな歩いている。


 あ、メール来てたんだ。

 私は携帯を取り出した。


『 桜の絵を見てくれたかな?寂しくないように絵をプレゼント!また来週、家族と話し合いがあるのでそっちに行きます。ヒロキ 』


 来週、こっちに来るんだね!

 話し合いかぁ…上手くいくといいんだけど。


 ヒロキくんのお父さん、偉い人って言ってたなぁ。


「 なつ!なになに!?嬉しそうじゃん! 」


 後ろからリエが話しかけてきた。

 よっちゃんは、私達のたくさんの荷物を文句一つ言うことも無く、持ってくれていた。


「 来週、こっちにくるんだって!リエ、買い物行きたいんだけど… 」


「 いいけど、何買うの? 」


「 額縁だよ。絵を飾るから 」


「 へぇ〜 」


 リエは、私の顔を覗き込むようにしてニコニコ笑っている。


「 ヒロキ、絵得意だったんだね!知らなかったなぁ。多分みんな知らなかったと思う 」


「 うん。そうだよね、私もびっくりしたよ 」


 別に隠していた訳ではないと思うけど、知らない事も、まだまだたくさんあるのかなぁ。


 リエは、よっちゃんに事情を話し、先に帰ってもらうことにした。


 この綺麗な桜の木の絵を、どんな額縁に入れて飾ろう。

 来週、ヒロキくんがこっちに来る前に飾りたいな。

 綺麗な額縁を探そう。

 絵を描いていて良かった。と思えるように。



 私とリエは、まずは上重さんの待つお店の方へ進み始めた。


 お店が今、どんな風にかわっているのか。

 すごく気になっていた。


 任せっきりにしてしまって申し訳ない気持ちではある。


 これからたくさんの恩返しを私なりにできるよう頑張っていこうと思っている。


 私に出来ることは、凄く小さい事かもしれない。

 それにきっと限界もある。


 私は…それでも前向きにならなければならない。

 この今の勢いが、なくなってしまう前に。


「 あ!! 」


 少し進んだ所で、リエが足を止めた。



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