表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
78/138

一枚の絵

 私は今まで聞けなかった事を、思いきって聞いてみようと思った。


「 ヒロキくん、この町にずっといる? 」


「 俺……実はやりたい事があるんだ。なつみと再会して、今まで気づけなかった事に気づいたんだ」


「 どういう事? 」


「 家族に話す事もあるから東京に近いうち行く。その時に詳しく話すよ 」


「 ちょっと行ってくる…… 」


 何か思い出した様な表情で、外に出ていった。


 トントン


「 なつ!出発だよ!リエもよっちゃんももう車の方へ行ってるよ 」


「はーい 」


 たくさんのことは聞けなかったけど、東京に来るって言ってたから、その時にもう一度話そうと思った。

 そして私は、あの家のことを聞く事が出来なかった。


 部屋を出て車の方へ向かう。


 ヒロキくん……どこへ行ったのだろう。


 リエとよっちゃんとあかりちゃんは、もう車の中で待っているようだった。


「 よいしょっと! 」


 こうちゃんは、私を抱えられ車に乗った。


「 リエ、ヒロキくん見た?急にいなくなっちゃって 」


「 外に出ていくのは見たけど、まだ戻ってないみたいだね 」


「 そうなんだ 」


 車が走り出しそうになった瞬間、車の窓をドンドンとヒロキくんが強く叩いた。

 私は、窓を開け訪ねる。


「 どうしたの? 」


「 良かった、間に合った。はい、コレ! 」


 私は渡されたモノを手に取った。


「 ヒロキも行く? 」


 こうちゃんが、ヒロキくんに聞いてみたがヒロキくんは、首を横に振りこう言った。


「 ごめん、これから行く所がある。じゃ、気をつけて 」


 いつもと同じクールな表情で、スタスタと家に向かってしまった。車が走り出す。


 私がヒロキくんに渡されたモノ。


 それは……一枚の絵だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ